創発戦略センター
チーフスペシャリスト
井上 岳一
Takekazu Inoue
研究・専門分野
・豊かな山水の恵みと人の知恵・技術を生かした多様で持続可能な地域社会(=山水郷)のあり方の研究と実践
・自律協生(コンヴィヴィアル)な地域・組織のデザイン
経歴
・1994年東京大学農学部林学科、2000年米国Yale大学大学院修了(経済学修士)。
農林水産省林野庁、Cassina IXC(家具・デザイン雑貨の製造・販売)を経て、2003年に日本総合研究所に入社。
・2010年からは創発戦略センターで、新しい社会システムや価値観を孵化させるインキュベーション活動に従事
・2022年、武蔵野美術大学と共同研究拠点「自律協生スタジオ(コンヴィヴィ)」を開設し、共同研究を開始
活動実績
プロジェクト
・東北復興支援。2012年から福島県南相馬市小高区に通い続けている。人々の話を聞くことから始め、生業の再生などを支援。今は市の復興アドバイザーとして小高の復興全般を支援。
・自動運転・MaaS。2013年に自動運転をコミュニティモビリティとして実装するためのプロジェクト(COSMOSコンソーシアム)を開始。これをきっかけに、経済産業省の自動運転プロジェクトを受託するなど、自動運転領域に注力。経済産業省のプロジェクトをきっかけに始まった日立BRTの自動化は、10年間かかって実装するところまでこぎつけた。
・自動運転を通じてMaaS(Mobility as a Service)の概念と出会い、2018年には社外の仲間達と書籍『MaaS』(日経BP)を執筆・上梓。以後、MaaSの伝道師の一人として、MaaSの普及に尽力。大阪・関西万博のためのアプリKANSAI MaaSの企画・開発を支援した。
・2019年に『日本列島回復論』(新潮選書)を上梓したことを機に、交通も含め、多様な地域が自立して生きるための方策について研究・実践を開始。デジタル技術の力を生かした地域創生のモデルとして「ローカルDX」を提唱し、そのコンセプトの開発、PoC(実証)プロジェクトの運営を率いた。ローカルDXのコンセプトは、庁舎建て替えに伴うDX導入支援として花開き、当時の検討メンバーが中心になって全国各地で受注を継続中。
・2020年4月から、公益財団法人日本デザイン振興会(JDP)とYouTube配信番組「山水郷チャンネル」を開始。山水の恵み豊かな地域に根差して活動するプレイヤー達の活動を紹介。2021年には、「山水郷チャンネル」に登場頂いた人や地域を展覧会形式で紹介する「山水郷のデザイン」展をGOOD DESIGN Marunouchiで開催。以後、毎年、共同ディレクターとしてこの展覧会をプロデュースしている。
・2022年には、武蔵野美術大学と日本総合研究所の協働の企画・検討を行い、同年11月、共同研究拠点「自律協生スタジオ(コンヴィヴィ)」を開設。共同研究プロジェクト「自律協生社会のデザイン」を立ち上げ、現在まで継続中。この検討を機に生まれた「自律協生社会」のコンセプトと具体化の方策は、『コンヴィヴィアル・シティ』(学芸出版)として2025年4月に上梓。
・2024年4月には、山水郷で協働するJDP主催の「山と木と東京:TOKYO WOOD TOWN」展をディレクション。都市の木造化によって都市と地域を変えるビジョンを提唱した。「山と木と東京」展は2025年4月にも開催。
書籍
コンヴィヴィアル・シティ:生き生きした自律協生の地域をつくる
2025年4月5日/学芸出版社/2,750円 (税込)
Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命-移動と都市の未来-
2020年3月9日/日経BP社/2,420円(税込)
日本列島回復論―この国で生き続けるために
2019年10月25日/株式会社新潮社/¥1,400+税
AI自治体 公務員の仕事と行政サービスはこう変わる!
2018年12月19日/学陽書房/¥2,100+税
公共IoT 地域を創るIoT投資
2018年11月27日/日刊工業新聞社/¥1,800+税
MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ
2018年11月26日/日経BP社/¥2,000+税
60分でわかる! EV革命&自動運転 最前線
2018年7月7日/株式会社 技術評論社/1,000円+税
「自動運転」ビジネス 勝利の法則-レベル3をめぐる新たな攻防-(共編著)
2017年6月30日 /日刊工業新聞社 /1,944円(税込)
ユビキタス時代のJA事業
2004年/全国協同出版/1680円
地球温暖化で伸びるビジネス-(共著)
2007年/東洋経済新報社/1800円
政府委員、外部活動等
- 武蔵野美術大学客員研究員・特別講師
- 内閣府規制改革推進会議 専門委員
- 内閣府 地方創生推進アドバイザー
- 南相馬市 復興アドバイザー
- 観音寺市 政策アドバイザー
- 東日本旅客鉄道株式会社「WaaS共創コンソーシアム」ステアリングコミッティ委員
コメント
山水の恵みと人が豊かな関係性を結ぶ地域やそこでの社会のあり方を「山水郷」と呼び、既存の制度やシステムに依存せずに人と地域が主体的に生き生きと生きる社会のあり方を「自律協生(コンヴィヴィアリティ)」名付けて、自分の活動のビジョンとしています。この国の魅力、強みは多様性にあります。多様性に溢れた生き生きとした人と地域を維持・発展させ、この国の大地と人の本領を発揮させることに残りの人生を捧げます。
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