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オピニオン メディアビジネスの新・未来地図 その4

【ブログパワーは、どこから来てどこへ行くのか】
「プロ」の情報発信には高いハードルが必要な時代に

2010年06月21日 須田 伸(サイバーエージェント コミュニケーションディレクター)、倉沢鉄也、今井孝之、今井孝之


(倉沢)マスメディアも含めて、素人の発信云々を議論するプロの人は、自分こそがとても高いレベルで情報発信についてコントロールしてないといけない時代になったことは確かです。マスの場で偏った見方だけを見せれば済んだ時代はさすがに終わったと思いますので、BtoBに限って高度な情報を発信するコンサルタントも含めたプロこそが、賛否両論をちゃんと論じる能力を示さなければ、プロとして対価をもらう資格はないと思います。これは自らを戒める意味も含めて、そう思います。

(須田)だからこそ情報発信のプロの人はうかつな気持ちでブログをできないのではないか、という感覚は、個人的にあります。それをわかった上で自分のマーケットプライスを上げるためにブログを広告媒体としてうまく使う人もいれば、逆にブログの世界の土俵に上がるとプロ以外の人たちの目にも触れて同じ物差しで測られるのは生産的でないので自分では一線を引いておく、という判断もあります。プロとして、どちらの戦略も正しいと思います。

(倉沢)情報発信のプロの場合は、匿名で登場する手もあるとは思いますが、自分の宣伝行為を兼ねようとするなら当然記名にならざるを得ません。記名になる以上は相当高いレベルの自己責任、所属先組織の責任を負わなければならないのに対して、相対する人たちが匿名で攻める感覚を持っているのは、正直言って危険でもあり面倒くさくもあります。

(須田)そうした匿名のレスポンスに対して、ノイズも含めて自分のファンだという腹の括り方がプロとしてできるかどうかがポイントでしょう。Web上で記名でものを言い続けている人は、いろいろな意味でメンタル面がかなりタフな人たちだと思います。

(倉沢)面と向かってしゃべることに比べて、テキストを書くという作業は、タイムスタンプもついて半永久的に跡が残りますので、これこそプロの作品として慎重に仕上げなければならないものです。時間も手間も責任もかかります。テキストだから難しいのでしょうか。

(須田)そうかもしれません。同じ書き物のお仕事でも、イラストレーターの方の書くブログは一般にとても楽しいのは、オリジナルの絵で表現するとプロでない人は絵で返せませんから、ネガティブに突っ込みづらいという側面があります。コンサルタントのように文章に数字や概念図を交えることが対価を生むという業態の場合は、プロでない匿名の人が突っ込むことが比較的易しいのかもしれません。

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