People W.Zijing
中立かつ自由な分析空間で、東南アジアの人口動態と政策対応を探究し、事実と独自性で社会に示唆を投げ続ける
呉 子婧 W.Zijing
- リサーチ
- マクロ経済センター アジアチーム 東南アジア担当入社:2023年 新卒入社
入社動機
中立性と独立性を保ちながら発信できる研究組織。若手に裁量が与えられ、必要時には先輩が支える構造に惹かれて入社を決意
日本総研を志望した背景には、「分析者として、自らの言葉で社会に一石を投じたい」という動機があります。学生時代、私は中国と日本の少子高齢化をテーマに研究していました。その中で、人口構造の転換が経済・財政・社会保障にどのような連鎖を生むのか、特に介護制度や人材不足に強い問題意識を持っていました。しかし、現実の政策や制度がどのように作用し、社会を動かしているのかを理解するには学術的な研究だけでは不十分だと感じていました。最新の変化を捉え、データから仮説を構築し、分析を言葉として世に出す場所が必要だったのです。
転機となったのは、学部在籍時に参加した日本総研のインターンシップ。研究員の方々の議論は明晰で、若手にも遠慮なく意見を求め、個人名で成果を世に出すという姿勢が新鮮でした。また、SMBCグループの一員でありながら、銀行的思考に縛られることなく、中立性と研究の独立性が確保されるという環境が、私の志向と一致。さらに、性別や年次に関係なく議論が開かれている点も魅力でした。成果を出せば名前で評価される一方、進め方を迷う場面では先輩がフォローしてくれる。責任と自由が表裏一体であることを強く意識しながら、主体的に研究領域を深められる場所だと確信しました。ワークライフバランスの柔軟性も、長期的に専門性を育てられる環境を求めていた私には大きな決定要素となり、入社を決めました。
現在の仕事内容
定例レポートの執筆と独自テーマ研究を担い、東南アジアの成熟と制度課題をデータから読み解く
現在はアジアチームの東南アジア担当として、東南アジア諸国の景気動向と構造変化を継続的に観察しています。月次レポートである「アジアマンスリー」や年2回公表の「カントリーレポート」、年央・年末の見通し期には分析量が一気に増え、国内外の景気動向・財政政策・政治を同時に追う必要があります。こうした定例業務に加えて、興味関心に応じたテーマの提案を随時行っています。分析者が自主的に仮説を持ち込み提案できる点は、当社の大きな魅力の一つです。
配属当初は、人口増のイメージが強い東南アジアにも少子高齢化の波が迫っていることに驚きました。タイやベトナムでは出生率低下が急激に進み、社会保障制度の整備速度が人口変化に追いつかない局面が見られます。インフラの整備遅れや金融システムの脆弱性、政治システムのゆらぎといった複合的リスクが成長への期待と常に併走する状況で、経済指標だけでは捉えきれない「構造のきしみ」が浮上します。この変化を読み解き、示唆に変換していく過程に難しさと面白さがあります。
また、レポートは個人名で公開されるため、そのまま自分の評価に影響します。責任は大きいですが、社会との距離が短いことは研究者にとって大きな励みです。ニュースを追うことは入口に過ぎません。私の役割は、その背後にある因果を抽出し、読者が思考できる素材として提示することだと認識しています。
印象に残るプロジェクト
初めての韓国株価レポートが翌日に取材へ直結。個人名で発信する緊張と手応えが、研究者としての視界を広げた
特に印象に残っているのは、入社して間もなく執筆した「勢いに欠ける韓国の株価 ―海外投資家の少なさや財閥による支配などが重石―」が翌日に取材依頼へとつながった経験です。まだ担当国に慣れていなかった時期で、データの切り口や因果関係の整理にも試行錯誤が続いていました。それでも公開後の反応は想像より早く、記事を読んだ記者から直接電話で問い合わせを受けました。自分の分析が社会に届く導線の短さを実感するとともに、大きな高揚感と責任を感じた瞬間でもありました。以降、取材に臨む際には必ず想定質問を整理し、論点の抜けがないか先輩研究員に確認を依頼するようにしました。日本語が母語ではない自分にとって、鋭い質問に即答しなければならないことを重圧に感じていましたが、事前準備を重ねることで恐怖感は徐々に自信に変わっていきました。今では、取材は単なるアウトプットの機会ではなく、自分の論証能力や構造の理解度を知ることができる機会でもあると感じています。社会からのフィードバックによって自分の視野が広がり、次の分析の起点が磨かれていく。リサーチとは知識を蓄える行為ではなく、課題を見出し、その解決に向けた示唆を提示し続ける運動なのだと思います。
環境・風土
質の高い議論と温かい風土が共存し、発言に対して必ず応答がある。問い方を鍛えながら思考を押し上げてくれるのが日本総研の特長
日本総研の文化を端的に表すなら、議論の鋭さと温かさが両立していることです。仮説を出せば必ず応答があり、論拠の確認や視点の追加が自然に行われます。それは、相手を論破するためではなく思考をより明瞭にするための対話。知的強度は高いのに、会話の温度は穏やかなので若手でも遠慮なく提案できる雰囲気があります。その姿勢は教育の場面にも一貫しています。単なる添削や正誤の指摘ではなく、「どこを深掘りすると視点が立ち上がるか」「別の因果構造に置き換えたらどう見えるか」といった思考の伸びしろを返してくれる。答えではなく問い方を獲得できる環境は、研究者として大きな支えになっています。もちろん、前提として自らの論を持つことが大切です。情報を並べるだけでは議論は動かず、仮説と結論のラインを自身の言葉で提示して初めて対話が成立します。近似ではなく接続、否定ではなく更新へ。異なる視点を重ね、より高い示唆に昇華していく共同性が、分析者としての私の思考を確実に鍛えていると感じています。今後はこの議論ができる環境を活かしながら、アジアの人口成熟と制度設計の研究をさらに深め、社会に還元できる人材に成長していきたいと思います。
1日の仕事の流れ
9:00 出社・メール確認
10:00 担当国のニュース・経済指標確認
11:00 アジアチーム打ち合わせ
12:00 昼食・電車で移動
13:00 在宅勤務開始・オンラインセミナー参加
14:00 予測値修正・電話で海外記者対応
15:00 調査・定例レポート作成
17:00
独自レポートのネタ探し
17:30に勤務終了
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Division 事業部門
Details 社員関連
インタビュー内容、役職、所属は取材当時のものです。
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