表彰・受賞
情報処理学会 第80回ユビキタスコンピューティングシステム研究会（UBI研究）において、企業発表奨励賞を受賞
2024年01月16日 先端技術ラボ 西下慧
2023年11月に開催された「情報処理学会 ユビキタスコンピューティングシステム研究会（UBI研究会）」（※1）において、株式会社日本総合研究所 先端技術ラボ 西下慧 アナリストの研究発表” イヤホン型脳波計測装置を用いたニューロフィードバックが金融意思決定バイアスに与える影響”が企業発表奨励賞を受賞しました。
「イヤホン型脳波計測装置を用いたニューロフィードバックが金融意思決定バイアスに与える影響」について
日本では、投資・資産運用へ促す機運が高まっている一方で、投資・資産運用を行う意向がない一般消費者も多く存在します。一般消費者が投資・資産運用を行う際の課題として、知識・資金不足に次いで、投資に対する心理的不安（元本保証がある方が安心、保有することに不安を感じる）が挙げられます。こうした心理的不安（損失忌避・リスク回避（＊2））は、人間の浪費行動の抑制に有用な一方で、過度な心理的不安は、投資への妨げの一因になっていると考えられます。
本研究では、脳活動をリアルタイムに観測し、脳活動を自己制御する「ニューロフィードバック」による訓練で、損失忌避やリスク回避傾向が変容するかを、実験課題を用いて検証しました。その結果、リスク回避傾向が有意に減弱したことを確認しました。なお、本研究は、個人に対して過度な投資を促すことが目的ではございません。
https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=229435&item_no=1&page_id=13&block_id=8
※1 UBI研究会とは、2003年4月に設立されたユビキタスコンピューティングの基盤技術に関する研究発表や情報交換を行う学術団体です。研究分野は、コンピュータアーキテクチャ、センシング、ネットワーキング、入出力デバイス、ヒューマンインタフェースの話題を扱っております。UBI研究会の詳細は、以下を参照ください。
https://sigubi.ipsj.or.jp/
＊２本研究では、損失忌避を、人は利益を得るよりも損を避けることを好む傾向があるというバイアス。リスク回避を、人は、利得において確実性のある収益を好み、リスクを避ける傾向があるというバイアスと定義しております。