衛星データのさらなる活用や宇宙・月面活動を支える通信網の構築といった背景から、宇宙(軌道上)データセンターあるいは月面データセンターを構築する取り組みが進んでいる。データセンターと呼称される一方、大規模な演算・ストレージを打ち上げ・運用するものではない。衛星に搭載されたストレージの統合利用やエッジコンピューティングにより、大規模なリソースを確保する考え方に近い。
そのような背景から宇宙/月面データセンターのユースケースは、宇宙活動・探査の自律化や災害・地政学リスクに備えたバックアップが多い。一方、近年はAIの利用拡大とともに、高い演算能力と高性能な冷却機能を備えるデータセンターが不足しており、地上の電力・水消費に対する課題、立地上の制約などから、宇宙空間や月面にAI基盤を設置するという構想も生まれている。
本レポートでは、宇宙/月面データセンターの概要について整理し、現状想定されているユースケースを紹介する。また、実現に向けた主要プレイヤーや金融機関の動向を踏まえ、今後の技術的な方向性と金融機関への関わり方を考察する。
▼目次
宇宙・月面データセンターの概要
宇宙データセンター/月面データセンターとは
宇宙産業における宇宙・月面データセンターの位置づけ
主要プレイヤーの動向と実現性
国内外の主要・先進プレイヤーのユースケース
想定されるユースケースの概観
衛星クラウドストレージサービスの構築
シスルナ空間ネットワークの構築
月面データセンターにおけるエッジコンピューティング・AI基盤の構築
展望・考察
宇宙・月面データセンターの課題と今後の方向性
宇宙領域に対する現在の金融機関の取り組み
今後の金融ビジネスの関わり方

