日本では少子高齢化の進展により、運転手不足が深刻化しており、地方公共交通の維持や物流需要の増加への対応が大きな課題となっている。こうした社会的背景の下、無人運行を可能とする自動運転技術が、持続可能な移動・物流システムを支える手段として注目されている。
自動運転技術は、カメラ、レーダー、LiDARといった多様なセンシングデータを基にルールベースのアプローチによる車両制御の高度化を中心に発展してきた。近年ではカメラとAIモデルを活用し、認識から制御までを統合的に学習するEnd-to-End型アプローチも進展している。海外では米国や中国を中心に無人タクシーや自動運転トラックの商用化が進む一方、日本での取り組みは実証段階に留まり、社会実装に向けた課題整理が求められる。
また、自動運転の普及はモビリティの提供形態を「所有」から「サービス利用」へと変化させ、リース、保険、ファイナンスなど金融サービスの在り方にも影響を及ぼしつつある。運行データや稼働率を前提としたビジネスモデルの広がりにより、金融機関における関与の形態も多様化が見込まれる。
本レポートでは、自動運転技術の概要と最新動向を整理するとともに、国内外のユースケースを踏まえ、社会実装に向けた課題と金融サービスの在り方を含めた活用促進の方策について考察する。
▼目次
自動運転の概要と要素技術
政策動向・活用動向
社会実装に向けた課題と将来展望
自動運転技術と金融の接点拡大
1.1. 自動運転技術とは
1.2. 自動運転技術の全体像
1.3.1. 検知技術
1.3.2.センサーフュージョン
1.4. 予測・判断技術
1.5. 制御技術
1.6. V2X(インフラ協調技術)
1.7. Software Defined Vehicle(SDV)
1.8. E2E(End-to-End)自動運転
1.9. 自動運転に対する最新の技術動向
2.1. 政策動向
2.2.1. 先進プレイヤーの取り組み概観
2.2.2. ロボタクシー
2.2.3. 自動運転バス・シャトル
2.2.4. 自動運転トラック
2.2.5. 金融機関の取り組み事例
3.1. 技術面における課題と見通し
3.2. 法規制における課題と見通し
3.3. ロードマップ
4.1. 金融サービスとの接点の変化
4.2. 金融機関における自動運転への関与例
▼執筆者
間瀬 英之(三井住友フィナンシャルグループ シリコンバレー・デジタルイノベーションラボ 兼 JRI America)
會田 拓海(先端技術ラボ)
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間瀬 英之(三井住友フィナンシャルグループ シリコンバレー・デジタルイノベーションラボ 兼 JRI America)
専門領域
2018年より先端技術ラボに所属、2025年より三井住友フィナンシャルグループ シリコンバレー・デジタルイノベーションラボに駐在しています。量子コンピュータなどのIT動向調査業務に従事し、共著書に「量子コンピュータまるわかり」(日経BP 日本経済新聞出版,2023年)、「金融デジタライゼーションのすべて」(金融財政事情研究会,2021年)があります。
先端技術リサーチ
會田 拓海(先端技術ラボ)
専門領域
ブロックチェーンや金融×IT領域を中心に、先端技術に関するリサーチ活動、社内外での講演登壇、専門誌への寄稿などの業務に従事しています。また、業務適用に向けた応用研究、国内外の学会・研究会への論文投稿などの研究活動を行っています。
先端技術リサーチ
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