本レポートでは、ブレインテックの技術とその動向を捉え、将来の展望を考察した。
ブレインテックは、脳科学・神経科学の知見とテクノロジーを組み合わせた技術やサービスの総称である。ニューロテックやニューロテクノロジーと呼ばれることもある。
なお、本レポートは「ブレインテック最新動向2025(2025年4月2日発行)」の改訂版である。前版からの主なアップデートは、5点である。
- Brain Computer Interface(BCI)の臨床試験が世界各地で行われ、本格化している。OpenAIのサムアルトマンらがBCI企業を創業し、世間や投資家からの注目が今後も高まる。
- 米国巨大IT企業がブレインテック事業に参画しており、脳活動由来の生体信号(脳波や脳血流など)以外の信号(心拍や筋電など)も活用した技術やサービスを開発している。
- Naox Technologies社のデバイスが、イヤホン型脳波デバイスとしては世界初となるFDA(米国食品医薬品局) の医療機器承認を獲得した。
- 脳基盤モデルは、研究開発段階だが、神経データの特徴に合わせた事前学習手法が提案されており 、今後の性能向上が期待できる。
- ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が、2025年11月にブレインテックに関する世界的倫理枠組みを採択した。ユネスコは、加盟国による国内法への反映を支援する予定である。
ブレインテックは、すでにヘルスケアやマーケティングなどの分野 で製品化されている が、データ収集・精度、再現性の低さといった技術的課題、法的・倫理的課題が存在する。ブレインテック製品を利用する・提供する際は、これらの課題に留意すべきである。
ビジネス応用の観点では、脳に拘らず、心拍や視線追跡といった他の生体データを活用して、自社製品・サービスとの親和性を検討することから着手することを推奨する。
その際、従業員の監視や子供の利用など倫理的に懸念のあるユースケースは除外する。
本レポートが、読者にとってブレインテックの技術概要や動向の把握、およびビジネス活用戦略立案の一助となれば幸いである。
▼目次
- ブレインテックの概要
- ブレインテックとは
- ブレインテックの活用が期待される領域
- ブレインテック最新動向
- Brain Computer Interfaceの最新動向
- 米国巨大IT企業のブレインテック参入
- 非侵襲型デバイスの性能向上
- 脳基盤モデルの研究開発
- ブレインテックの社会動向
- 考察・展望
- ビジネス活用における課題
- 今後の展望
▼執筆者
先端技術ラボ 西下 慧
先端技術ラボ 西下 慧
専門領域
ニューロテック・ブレインテックのビジネス応用や社会価値創造に向けた調査・研究に従事
先端技術リサーチ
学術論文
西下 慧, 村越 まひる, 茨木 拓也, イヤホン型脳波計測装置を用いたニューロフィードバックが金融意思決定バイアスに与える影響, 2023-UBI-80(13),1-8.
受賞歴
第80回ユビキタスコンピューティングシステム研究会 企業発表奨励賞受賞
書籍等出版物
一般社団法人金融財政事情研究会 様 月刊消費者信用2024年7月号「脳科学を活用したトレーニングによる金融詐欺被害防止策の研究(下)」
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