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第1部 問題提起「多死社会が抱える課題」多死社会を迎える日本 2040年の姿



 一つ目です。先ほど、暮らし方と申し上げましたが、そのイメージを、もちろん、今日お集まりの皆さんを含め、国民全体に果たして伝えられているのだろうか。
 看取りといいますと、病院で看取る、在宅で看取る。死ぬ間際、最期の瞬間をどう迎えるか。これは、皆さん、比較的想像がつきやすいですね。ところが、そのちょっと前の数年間を一体どういう暮らしをするんだ。有料老人ホーム、特養みたいなところを使いましょう。でも、在宅も使いましょう。その間というのは何があるのか、そのために使える社会資源というのはどんなものがあるのか、サービスはどんなものがあるのか。
 もっと言いますと、一口にいろんな住まいがありますが、この会社とこの会社で何が違うんだろうか、どこが違うのだろうか。こんなところのイメージがリアリティをもって湧いているだろうかという観点でございます。



 一応前提としたデータを少しお伝えしますと、これもよくご存じの通り、日本は圧倒的に病院での死亡が多い。歴史的に見ても、非常に病院での死亡が増えてきているということでございます。最近、有料老人ホームなど、病院、自宅以外での死亡は増えていますけれども、やはり圧倒的に病院が多い。諸外国と比較しても非常に病院が多い。これがまず日本の現状なんだということでございます。



 では、今、国民は何を考えているのか、というのが次のスライドでございます。
 このなかで1番右から四つ目ほどのところが完全に自宅で療養したい、最期まで自宅で療養したいというパーセンテージでございます。これは大体1割ぐらいでずっと推移してきます。ですから、極端な話をすれば、自宅で最期まで、とにかく自宅で看取りまでいきたいんだという方々が約1割。先ほど、自宅での看取りが約1割ということですから、そういった意味では、自宅で最期まで、というところの願いはかなえられているというふうな見方もできるのかもしれません。むしろ、これから考えるべきは、真ん中の自宅や医療機関を組み合わせて、現実解として、どういうふうに療養を送っていくのか。この組み合わせをどうするかということが、一つポイントになってきていると言っていいと思います。



 資料(P.6)にあるように、実際には病院で、というふうに現実解を考えている方々が多いのは事実です。そういった意味で、病院での最期ということが引っ張られているというのは非常に日本の特徴であり、日本の非常に特筆すべき現状であるということでございます。ただ、いろいろ悩んでいるというのは、実は、日本だけではないです。まさに世界のなかで1番フロントラインにある課題なんだ、ということです。
 まとめますと、とくに医療機関や自宅という、この環境を組み合わせながら、最後の時期をどう暮らしていくのか。これは世界的にもまだ誰も答えを見出せてない課題と言っていいのかもしれません。以上が一つ目、イメージを持たせられますか、とくに組み合わせのイメージを持たせられますか、というお話を差し上げました。



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