オピニオン
【未来社会価値研究所報(Annual report 2024-25)】
3.資本主義2.0:倫理資本主義社会を実現させる条件
-道徳的価値と経済的価値の融合を目指す企業が評価される世界をつくる-
2025年10月01日 宮下太陽
はじめに
資本主義とは何か。この極めてシンプルな問いが、従来の資本主義的世界が多方面で行き詰まりを見せる中で、現代社会における重要な問いとして浮かび上がっている。
フランスの経済学者であるトマ・ピケティ(Thomas Piketty)は、著書『資本とイデオロギー(※1)』の中で、政治レジーム(※2)・所有権レジーム(※3)・格差レジームという理論的枠組みを用いて、過去から現在に至る社会形態を分析する中で、21世紀初頭の資本主義を、20世紀の二度の世界大戦を経て一時的に緩和された富の集中が、非常に急速に復活しているハイパー資本主義の時代であると指摘している。この一部の人間への富の集中の復活が、格差拡大という形でインパクトをもたらし、第二次世界大戦後に構築されてきた各国の政治状況や国際社会の基盤的枠組みを揺るがす中心的な課題になっていることは、昨今の経済的、政治的情勢からも見て取れる。
ドイツの哲学者であるマルクス・ガブリエル(Markus Gabriel)は、著書『倫理資本主義の時代(※4)』の中で、資本主義をアップデートする必要性を論じている。ガブリエルは資本主義の伝統的な定義である「生産手段の私有」、「自由契約」、「自由市場」について触れた上で、資本主義はあくまでも人間の活動の一部をカバーするものであり、完全に商品化できない倫理的、法的、政治的、宗教的、美的価値観など、人間の活動には数多くの非資本主義的条件や価値判断が含まれていることを指摘している。
ガブリエルによれば、資本主義は労働を商品化することで人間を封建的支配から解放し、人類の道徳的進歩に寄与した一方で、新自由主義に基づく改革が、金権政治と経済的寡頭体制という新たな封建体制を生み出している現状がある。ここに現在の資本主義が抱える課題の根本があるのである。
本稿では、ピケティやガブリエルの資本主義に対する問題意識を共有しつつ、新しい資本主義を展望し、その具体的な成立の道筋について論じる。
新しい資本主義としての倫理資本主義
ガブリエルは新しい資本主義のあり方として倫理資本主義を提言している。倫理資本主義とは、倫理と資本主義を融合させられるという考え方であり、道徳的に正しい行動から利益を得ることは可能であり、またそうすべきであるという主張である。
実際、ガブリエルが資本主義の歴史的対抗馬は封建主義であると述べているように、資本主義がもたらした科学技術的進歩は、封建的支配からの人間の解放に寄与し、人類の道徳の進歩に歴史的に寄与してきたことは言をまたないだろう。おりしも今年は1970年以来55年ぶりに日本で万国博覧会が開催されている。1967年のモントリオール万博で「経済的弱小国(economically weak countries)」という表現を排して新たに「経済的発展途上国(economically developing countries)」という造語が生まれ、1970年大阪万博が「人類の進歩と調和」というテーマを掲げて実現した時代背景には、科学と技術の進歩が世界全体をよくしていくことができるという当時の空気感を読み取ることができる(佐藤ら、 2020(※5))。しかし、その後の経済的発展において、経済的価値と道徳的価値がデカップリング(Decoupling/分離)してしまっているのが、現代社会の状況であり、だからこそガブリエルは両者をリカップリング(Recoupling/再結合)するためのアプローチとして倫理資本主義を提唱しているといえる。
ガブリエルは、経済的価値と道徳的価値が融合をする未来をつくっていくための具体的ビジョンをいくつか提言している。例えば、企業に倫理部門の設置を義務付け、社内の最高哲学責任者(Chief Philosophy Officer; CPO)がその倫理部門を率いるというアイデアである。倫理部門の役割は、企業の経済的発展の最前線において具体的な倫理的問いに答えていくことであり、そのために社内のあらゆるデータに自由にアクセスする権限を持っていることが必要とされている。ほかにもガブリエルは、子どもに対する選挙権の付与というアイデアを掲げている。ここでガブリエルが期待しているのは子どもの想像力である。ガブリエルは「はだかの王様(※6)」を引き合いに出し、身近に子どもがいる人なら「王様ははだかだ」的場面をたくさん経験したことがあるはずだと述べた上で、柔軟性が高く、多くの大人よりもオープンマインドな子どもに、生まれた時から選挙権を与えることを提案している(※7)。
また、ピケティも現在の資本主義を乗り越えるための具体的な施策として、企業内での議決権共有の仕組みの世界的な拡大(※8)、累進資産税(※9)の強化を提言している。ガブリエルやピケティの提言はいずれも魅力的であり、実現すれば一定の成果は見込めるものと思われる。しかし、ガブリエルやピケティの提言を実現するには政治的合意が不可欠であり、そのハードルはかなり高いといわざるを得ない。日本において、彼らの提言が具体的に法制化され実現するにはかなりの年月を要するのではないかというのが、現時点での筆者の見立てである。
その理由の一つが、日本における政治の経済化(※10)である。現在の日本の政治状況は、経済をめぐる論点が数多く上がり、経済成長のために何をすべきかいう点については多種多様な意見が戦わされているものの、一方で現在の基盤的な仕組み(※11)を抜本的に変えるような論点に焦点があたる機会は極めて乏しい。そこで本稿では、政治的要素が強いアプローチに主眼を置くのではなく、日本の文脈においてより実現可能性、実行可能性の高いアプローチについて検討を進める。
倫理資本主義社会を実現させる成立条件
本稿では、日本の文脈における実現可能性、実行可能性を念頭に、道徳的価値と経済的価値を融合させようとする企業が評価されるような世界をつくることで倫理資本主義社会が実現する可能性を探る。ガブリエルは、人間の共感能力を重視し、自分の追加投資が人間の生活の改善や人類共通の環境の改善につながることがわかっていたら、支払い能力がある人なら誰でも喜んで特定の会社の経済的利益に貢献するだろうと述べている。このような倫理資本主義社会を実現させる成立条件を整理するというのが本稿のアプローチであり、本稿では4つの成立条件を提示したい。
一つ目の成立条件は、道徳的価値と経済的価値を融合させようとする企業(以降本稿では社会的営利企業と呼ぶ)の拡大である。倫理資本主義のメインプレーヤーとなるべき、社会的営利企業の拡大・普及なくして倫理資本主義社会は成立しえないため、これは倫理資本主義社会を実現するための前提条件というべきものである。この点について筆者は、2022年度の所報(※12)で取り上げたベネフィット・コーポレーション(Benefit Corporation;BC)やB Corp認証の動向を念頭に置くと、現代の資本主義社会の行き詰まりの中で、一定の企業が社会的営利企業として存在している未来像を確からしい未来として措定することができると考えている。
ベネフィット・コーポレーションとは「株主の利益だけではなく、公益に資する事業に率先して取り組むと明示した法人形態」を指し、各国のBC法において法的な位置づけが明確になっている。B Corp認証は、2006年アメリカに設立された非営利団体のB Labが運営する国際認証制度であり、目指すところは利益と公益を両立できる企業を認証することで、社会に貢献する企業を増やしていくことにある。実際にB Corp認証企業の数は、加速度的に増えており、現在世界で102カ国、161の産業で10,000社以上がB Corp認証を取得している(※13)。日本でも2020年には6社だった企業が、2025年8月時点で62社まで増加している(※14)。このように、道徳的価値と経済的価値を融合させようとする社会的営利企業は今後も増えていくことが期待できる。
しかし、いくら外形的な認証を有する社会的営利企業が増えたとしても、外形的な基準なクリアしているだけで「道徳的価値」を実現しているとは限らないという反発もあり、B Corp認証は必要なもののそれだけでは十分ではないという指摘もある(※15)。そこで、倫理資本主義社会を実現するための二つ目の条件は、企業活動における道徳的価値の実現の度合いをどのように評価しうるのかという問いに対して一定の合意形成が図られることである。そもそも道徳的という言葉自体が多様な価値観をはらんでおり、社会心理学者のジョナサン・ハイト(Jonathan Haidt)が指摘している通り、たった一つの道徳が存在すると主張する者には注意が必要である。そのためお金という一元的な尺度に還元できる経済的価値とは異なり、企業活動の結果生じる道徳的価値を測定するという営みは、それを定義づけるという段階から困難を極めることが想定される。そこで本稿では客観的な道徳的価値をいかに測定するかではなく、企業活動において企業が道徳的価値を追求していると見なせるための別の視座を提供するというアプローチを提案したい。
そのためのキーワードがガブリエルも自身の提案で掲げていた「子ども」である。子どもとビジネスというと、直接的に子どもを対象としたビジネスを展開していない企業にとっては、少し遠い存在として感じられるかもしれない。しかし企業のサステナビリティの目的が次世代への橋渡しであると考えると、次世代の主役は子どもである。多様な価値観がある中でも次世代の子どもに焦点をあて、次の世代にとって道徳的価値を追求しているかどうかで判断するというスタンスについては、誰もが合意できる数少ない立脚点の一つとなりうるのである。「子ども」を前面に押し出す点については、昨今「子持ち様」とやゆされるように、社会的分断の兆しになっている状況もあるため、一定の配慮が必要ではあるものの、たとえ自身の子どもがいない場合であっても、広く社会的共同体としての次世代を考えることの重要性を否定はしないだろう。
子どものことを真正面から捉えてビジネスを行うという考え方は、世界では2012年にユニセフが国連グローバル・コンパクト、セーブ・ザ・チルドレンとともに策定した「子どもの権利とビジネス原則」が発表されているものの、日本ではあまり広がりを見せていないのが実情である。そのような状況の中、日本総研は、次世代が育ちやすい仕組みを整えていくために、子どもの権利を尊重することの価値の理解促進を行い、子どもをステークホルダーと捉える考え方が浸透している状態を目指す「子どもコミッションイニシアティブ構想」を発足させた。そこでは次世代が育ちやすい仕組みを整えるために企業が推進するべき具体的なアクションに向けた「5つの行動指針」を発表している(※16)。
①ビジネスプロセスにおいて子どもの権利アセスメントを行う
②非正規への依存を減らし、生活しやすい賃金環境を作る
③気候変動対策、生物多様性保全を追求する
④本業と関連性の深い分野で次世代育成に関与する
⑤従業員が子ども世代と自分の仕事について話す機会を作る
筆者は、企業がこの5つの行動指針にどのように向き合い、自社の企業活動に取り組んでいるかをサステナビリティレポート等で公開し、それを投資家が見て判断するという形ができれば、道徳的価値に関する企業の活動が一定評価できるようになると考えている。例えば5つ目の項目などは、企業が定期的に実施している従業員満足度調査などに実態を把握する質問項目を付け加えることからはじめられるため、取り組みのハードルはそれほど高くはないのではないだろうか(※17)。
倫理資本主義社会を実現するための三つ目の成立条件は、多様な価値基準を持つ投資家が株式市場に参入すること、つまり株式市場の民主化である。B Corp認証を取得する企業が、日本を含めて世界的に加速度的に増加していることは述べた通りであるが、一方で、既存の上場企業が道徳的価値を追求し、社会的課題解決に重きを置くことの難しさを示すデータもある。日本総研が全国の上場企業を対象に行った調査(※18)では、事業を通じた社会課題の解決に取り組む上での課題として「利益目的事業と同じ時間軸や基準で評価されてしまっている(18.2%)」「短期的な成果が求められるため、中長期的な視点に立つことが難しい(16.5%)」「ステークホルダーから利益重視のプレッシャーがある(10.7%)」などの課題が挙げられている。上場企業において、道徳的価値を追求することをステークホルダーに理解してもらうことが難しい側面があることを示すデータといえる。
筆者はこのような状況を乗り越えていくために必要なのは、多様な価値観を持った投資家が株式市場に存在する状況をつくり、多様な価値評価の軸が生まれる土壌をつくることであると考えている。投資家のすそのを広げることで、生活者視点で道徳的価値の追求に理解がある投資家を株式市場に呼び込むことができれば、道徳的価値を追求する企業がより評価されるようになることが期待できるのである。
多様な投資家を市場に呼び込むための環境整備は、東京証券取引所(以下、東証)を中心に進んでいる。2025年4月に東証が公表した資料(※19)には、株式投資に必要な最低投資金額を10万円程度(※20)に引き下げていく方向性がうたわれている。東証の狙いは、諸外国と比べても高い水準にある投資単位の引き下げることで若手層も含めた投資家のすそのの拡大である。本稿の文脈としては、これは株式市場の民主化に通ずる流れであり、誰もが投資家になれる環境整備を通じて、ガブリエルが描いたようによいものを提供したら、それを選ぶ人が増えるという世界観を実現する経路となる。東証の報告書の中にも、投資単位の引き下げの意義として、投資家にとっては個別株へ投資しやすくなり、自身が共感する企業を応援することで上場会社の成長ひいては日本経済の発展にも貢献できるようになり、また上場会社にとっては自社に共感し、成長を応援してくれる個人株主の獲得に寄与することが挙げられている。これらの意義は、まさに筆者が考える、社会的営利企業を支持する株主が、社会的営利企業が道徳的価値を追求することを後押しすることにつながるものである。
東証の報告書は、投資単位を引き下げる具体的な施策として、株式分割、売買単位の引き下げ、単元株式数の引き下げなどを検討し、その影響度合いを整理している。いずれの施策についても留意点はあるものの、投資単位が日本と比較して低いアメリカ(※21)では、日本の単元株制度と同様100株を単位とする単位株制度があるものの、証券取引所での売買は1株から可能な状況となっている(※22)。日本で実現するために、超えるべきハードルはあるものの、ガブリエルやピケティの提言と比べると実現可能性は高いのではないだろうか。
倫理資本主義社会を実現するための四つ目の成立条件は、社会的営利企業を支持する投資家の育成・拡大である。投資家になるハードルが下がり、多様な投資家が市場に参画できる環境が整った上で、必要となるのが、社会的営利企業を支持する投資家を増やしていく活動である。サステナビリティ投資において、世界的に若い世代の関心がより強いとされているが、日本においては20代から30代前半の若い世代のESG課題への関心が相対的に低いという調査結果(※23)や、投資先企業が「持続可能性の向上」に取り組んでいるかを気にしている割合が、日本の20代、30代ではアメリカやドイツの同世代と比較して相対的に低いという調査結果もある(※24)。
このような状況の中、社会的営利企業を支持する投資家を増やしていくためのキーワードはやはり「子ども」であり、具体的な手段として、金融教育による未来の投資家育成が挙げられる。学習指導要領の改訂に伴い、高等学校では2022年から探究学習が「総合的な探究の時間」として導入されている(※25)。探究学習とは、生徒が自ら課題を設定し、主体的に探求活動を行う学習方法であり、教科の枠にとらわれず、自らの興味や関心に基づき、問題解決や創造活動を行う中で、深い学びを促すことを目指すものである。この探究学習のテーマとして、SDGsを扱う事例が出てきており、例えば現代社会の諸課題を解決するために活動している企業への投資の意義について探究を行った実践などの報告もなされている(※26)。そもそも日本の金融リテラシーが欧米諸国と比較すると低い(※27)という問題意識のもと、金融リテラシーの向上を目的として2022年から高等学校では金融教育が必修化されている。このような流れの中で、企業が積極的に金融教育に関わる事例も出てきており、例えば寄付先を学生が企業と一緒に考えるなどの経済性と社会性を兼ね備えたプログラム(※28)なども実施されている。
道徳的価値を追求する社会的営利企業への投資がどのような意味を持つのかを、子どものころから考えてもらう機会をつくることが、社会的営利企業を支持する未来の投資家の拡大につながるのである。そして、そのようなマインドを持った個人投資家が増えてくることで、株式市場に大きな影響力を持つ機関投資家(投資信託会社、信託銀行、保険会社、年金基金等)の運用ポリシーにも直接的(※29)、間接的に影響を与えるようになる可能性がある。
おわりに
本稿では倫理資本主義社会を実現させるための成立条件を検討してきた。本稿で論じた道徳的価値と経済的価値を融合させる社会的営利企業、企業の道徳的価値創出行動を評価するための枠組み、株式市場の民主化、社会的営利企業を支持する投資家の拡大が、倫理資本主義社会への道である。
その実現のために本稿で示したアイデアは、現在の日本の状況を考えれば決して実現が難しいものではないと考えている。筆者自身、大学で学生にキャリア教育に関する授業を行っているが、今年度は社会的営利企業に関する回を設定し、学生に社会的営利企業に関する知識をつけてもらい、そうした企業に投資することの意義を考えてもらう時間を設ける予定である。
このように一人の人間ができうる範囲で一つひとつの小さな営みを積み重ねていくことが倫理資本主義社会という新たな未来社会価値の創出につながるのである。倫理資本主義社会を実現するためには、道徳的価値と経済的価値を融合させようとする社会的営利企業が社会から評価される世界をつくればよいというのが本稿の主張であり、結論である。そして、それを実現していくのは、ほかでもない次世代の子どもたちに思いをはせるわれわれ一人ひとりの小さな行動の積み重ねであり、そういった積み重ねの輪を広げていくことが次世代の、次世代による、次世代のための資本主義を実現する道である。
(※1) トマ・ピケティ著 『資本とイデオロギー』、山形浩生、森本正史訳、 2023、 みすず書房
(※2) 政治レジームはコミュニティの境界線とその領域、集合的な意思決定の仕組み、構成員の政治的権利を記述するルール群のこと。
(※3) 所有権レジームは所有権のさまざまな形や、ちがう社会集団の間の財産関係を表現するための、法的および実務的手順を記述したルール群のこと。
(※4) マルクス・ガブリエル著 『倫理資本主義の時代』、 土方奈美 訳、斎藤幸平監修、 2024、 ハヤカワ新書
(※5) 佐藤真由子編 『万博学』、 2020、 思文閣出版
(※6) デンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが1837年に発表した童話
(※7) 適切な年齢(3~4歳)までは親や法定後見人が代理で投票し、子どもにはその期間の親や法定代理人の行動の根拠を知る権利を生涯保証することで、子どもの代理で投票をする人に十分な規範的圧力を持たせることを提案している。
(※8) 資本参加とは無関係にドイツでは労働者代表が取締役会の半分(従業員2,000人以上の場合)、スウェーデンでは3分の1の議決権を持つ(従業員25人以上企業の場合)。
(※9) ピケティは年次の累進資産税について、同じく資産に基づく累進相続税と比べると、資産や納税能力の変化にずっとすばやく対応できるという利点があると指摘している。
(※10) アメリカにおけるトランプ大統領の登場や、政府効率化省でのイーロン・マスク氏の活動など、政治の経済化(経済のための政治)は必ずしも日本だけの状況ではない。
(※11) ガブリエルやピケティの提言が代表例であるが、これらの諸課題は、一般に多様な意見があり、世代間や階層間等で対立構造になりがちなので、正面から議論しにくい状況にある。
(※12) 宮下太陽著「新しい資本主義時代における企業のあり方-日本におけるベネフィット・コーポレーションの適用可能性」、 未来社会価値研究所2022年度所報
(※13) B Lab Global Site

(※14) BeTheChangeJapanウェブサイト「日本のB Corp取得企業は62社 (2025年8月時点)

(※15) Rob Harrison (2024), B Corp certification pros and cons, Ethical Consumer.

(※16) 子どもコミッションイニシアティブ 2025、「 『子どもの権利とビジネス研究会』サマリーレポート

(※17) 具体的な取組の例としては以下を参照。村上芽「従業員のウェルビーイングと子どもとの対話」、 2025、(参照日:2025年6月25日)
(※18) 株式会社日本総合研究所ニュースリリース「『事業を通じた社会課題解決』に関するアンケート調査結果」、 2025、 (参照日:2025年6月25日)
(※19) 東京証券取引所 「少額投資の在り方に関する勉強会報告書

(※20) 現在は上場規程において50万円未満とすることが努力義務として定められている。
(※21) 東証の投資単位の平均値が186,599円に対して、アメリカは31,942円とおおよそ6分の1の水準(東証前掲資料)。
(※22) 岡田功太、片寄直紀著「上場株式の売買単位と個人向け証券取引のイノベーション

(※23) 金融庁 「国内外におけるサステナビリティ投資の実態等に関する調査 最終報告書

(※24) 一般社団法人経済社会システム総合研究所 「『社会課題に関する日米独3か国意識調査』の結果について (2024年度)

(※25) 探究学習は小学校では2020年、中学校では2021年から導入されている。
(※26) 竹達 健顕 (2023). SDGsとESG投資に関する教科等横断的な学びについての実践報告

(※27) 金融広報中央委員会 「金融リテラシー調査2022年

(※28) 株式会社日本総合研究所ニュースリリース「SDGsリース『みらい2030®』(寄付型)と連携した新しいお金の教育「SAKI寄付教育プログラム」の提供について」、(参照日:2025年7月16日)
(※29) 保険業法に基づいて設立されている相互会社型の生命保険会社においては、株主が存在せず、保険契約者が会社の社員として、会社の意思決定機関である社員総会(総代会)に参加するため、運用ポリシーに直接的な影響をもたらしうる。
以上
※記事は執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
関連リンク
未来社会価値研究所報(Annual report 2024-25)
1.巻頭言 覆される常識と社会価値を再構築する意義
2.改めて問われる企業価値評価のこれから
3.資本主義2.0:倫理資本主義社会を実現させる条件
4.コンプライアンス経営2.0
第1回
5.企業の社会的価値創造を推進する多元的企業価値評価
6.地域活性化に向けて“地方議員”に求められる役割とは