近年、Art鑑賞が心身にポジティブな効果をもたらすことが科学的に明らかになるなど、Artは単なる文化的価値にとどまらず、健康・福祉分野への応用も期待されています。これに加えて、Artは比較的安定的な市場価値を有するオルタナティブ資産として、富裕層によるポートフォリオ形成の一環としても注目を集めています。日本国内におけるArt市場は現状小規模ながら、堅調な成長を続ける市場として海外からの注目度が高まりつつあります。
本レポートでは、Artに関するこれらの社会的潮流を踏まえた上で、技術的な視点から、NeuroTech×Artという新しい視覚芸術の可能性に注目します。とりわけ、「自発脳波」と呼ばれる大きなポテンシャルを持った生体信号と、拡散モデルと呼ばれる画像生成AIに着目します。脳波データを活用したArt生成という革新的なアプローチを紹介し、創作・鑑賞・価値創出のプロセスにおける新しいビジネス機会可能性を展望します。
▼目次
背景
- Art の効果と市場価値
- NeuroTech とは
技術概要 ―NeuroTech はどのようにして Art に貢献可能か―
NeuroTech×Art ―自発活動×拡散モデル(Diffusion Model)―
今後の展望と課題
- Art や作者に特化した拡散モデルの開発
- NeuroTech×Art の倫理と著作権問題
おわりに
▼執筆者
先端技術ラボ 大城 武史
先端技術ラボ 大城 武史
専門領域
アカデミアで神経科学研究に従事した経験を活かして AI、神経科学分野全般の技術調査・検証・開発等に従事
メディア掲載・執筆
わたしの研究ーリップル研究者の2つの羅針盤ー(日本生物学的精神医学会誌 36巻1号 新興医学出版社 2025年3月刊行)
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