現在、大規模言語モデル(LLM)が注目を浴び、各社での利活用が進んでいる。これまでのLLMの活用形態としては、OpenAI社やGoogle社、Anthropic社などが提供するクラウド上のLLMをAPI経由で利用することが大半であった。一方、モデル自体が公開されているオープンなLLM(Meta社のLlamaやGoogle社のGemmaなど)の性能向上を背景に、自社環境上でLLMを活用する「ローカルLLM」に対する世間の関心も高まりつつある。従来、クローズドなモデルを提供してきたOpenAIも、オープンな推論モデルを公開予定であることを発表しており、注目が集まる。
こうした背景を踏まえ、本レポートでは、ローカルLLMについての最新の技術動向や想定されるユースケース、導入事例、技術課題や将来展望を整理し、今後のビジネスでの生成AI活用にもたらす可能性について記載する。本レポートの構成としては次のとおりである。まず、1章でローカルLLMの概要とローカルLLMを取り巻くトレンドについて記載する。2章では、ローカルLLMにおけるメリットとデメリットを整理する。3章では、2章で記載したメリット・デメリットを受けて、ローカルLLMのシステム構成パターンや有効と考えられるユースケースの例、ローカルLLMの活用事例について記載する。4章では、ローカルLLMが抱える技術的な課題について述べ、今後の展望について記載する。
本レポートは、LLM導入を進める担当者や意思決定者、ローカルLLMの概要を知りたい担当者・エンジニアを対象読者としており、エンジニアだけでなく、ビジネスパーソンにも役立つ内容としている。本レポートによって読者がローカルLLMの理解を深め、今後の技術投資やPoCの企画・実施、導入可否判断などに活用して頂ければ幸いである。
▼目次
ローカルLLMの概要・動向
- 本レポートで扱うローカルLLMの定義
- ローカルLLMを取り巻くトレンド
- オープンなモデルの発展
- モデルの選定基準
- 利用可能なモデルの例
- 中国発のオープンなLLMの台頭とローカルLLMへの影響
ローカルLLMのメリット・デメリット
- ローカルLLMのメリット・デメリット一覧
- ローカルLLMのメリット
- ローカルLLMのデメリット
ローカルLLMの活用パターンと事例
- LLMのシステム構成パターン
- 業界ごとの主なローカルLLMの活用ユースケース
- ローカルLLMの活用事例(金融、医療、製造業、官公庁)
- ローカルLLM構築サービス
技術課題と今後の展望
- ローカルLLMの技術課題
- 今後の展望
▼執筆者
先端技術ラボ 伊藤 蓮
先端技術ラボ 近藤 浩史
先端技術ラボ 伊藤 蓮
専門領域
AI全般の中長期的な動向調査および、数理最適化、シミュレーションなどのAIに関連した応用研究・技術検証に従事。
先端技術ラボ 近藤 浩史
専門領域
AIの中長期的な動向調査および技術検証に従事。AIおよびXR領域の調査研究に関する組織マネジメントを担当。
先端技術リサーチ
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