リサーチ・レポート No.2026-007
2026~27年マクロ経済見通し(要約版)~AI、供給制約、地経学的分断の時代~
2026年07月13日 若林厚仁、立石宗一郎、細井友洋、松田健太郎
世界経済は、中東情勢の鎮静化を前提とすれば、旺盛なAI投資等を背景に底堅い成長が続く見通しである。もっとも、地政学的な経済分断が経済成長の停滞を招く懸念が高まっているほか、AIの過剰投資リスクにも細心の注意を要する。
米国経済は、AIがけん引役となり、回復する見通しである。もっとも、こうした成長は「K字型」の様相を帯びており、その恩恵は一部に偏在する公算が大きい。AI投資の腰折れとトランプ政権の強硬な対外政策が景気の下振れリスクになる。
欧州経済は来年以降、持ち直しに転じる見通しである。インフレは沈静化に向かい、国際環境の変化に対応した構造改革が、回復の持続性を支える見通しである。もっとも、政策対応が十分でない領域では、成長を抑制するリスクが燻る。
アジア経済は減速局面に入ると予想する。先行きも高いインフレ圧力が実質所得や企業収益を圧迫し、消費・投資を下押しする見通しである。また、国際秩序の変容がアジアの中長期的な成長力を低下させる懸念にも留意が必要である。
日本経済は中東危機の影響で当面の成長ペースは鈍化する見通しである。来年度には中東危機による下押し圧力が和らぐほか、消費減税が成長の押し上げに作用。もっとも、消費減税の押し上げ効果は一時的であり、根底にある供給力の弱さも成長の足かせとなり、回復ペースは緩やかにとどまる見込みである。
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