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リサーチ・フォーカス No.2026-045

本格的に到来する「金利のある世界」 ~わが国家計・企業・政府への影響点検~

2026年09月25日 松田健太郎、後藤俊平


わが国では、日本銀行の金融政策の正常化により、長らく据え置かれていた政策金利が上昇している。こうしたなか、長短金利ともおよそ30年ぶりの水準まで上昇している。当面、日銀は政策金利を2%に向けて引き上げる可能性が高い。これは、供給制約を起点とした賃上げの定着で基調的なインフレ圧力が高まっていることが背景にある。

2%への金利上昇の影響は、民間部門では総じてみれば限定的ながら、政府部門では大きい。民間部門のうち家計部門においては、預金金利の上昇により利子収入が増加し、全体ではローンなどの利払い増加を上回ると見込まれる。企業部門でも、潤沢なキャッシュフローや設備投資の構造変化などから以前よりも金利上昇への耐性は高まっているとみられる。

一方、民間部門でも、金利耐性の違いから一部の世帯・家計にマイナス影響が生じる可能性がある。家計部門では、若年層や子育て世帯を中心に、住宅ローンの変動金利比率の上昇や、借入規模の拡大から負担が強まると予想される。企業では、財務体質が相対的に脆弱で利益率の低い中小企業や、不動産業など借入依存度の高い一部産業でマイナス影響が大きくなる可能性がある。

政府部門では、脆弱な財政基盤が金利上昇の影響を増幅する。高い金利での借り換えが進むことで利払い費が増加し、基礎的財政収支の改善が進まなければ、政府債務残高の対GDP比が上昇に転じることが懸念される。財政の持続可能性を高めるためにも、政府には金利上昇を前提とした財政構造の転換が求められる。


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