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リサーチ・アイ No.2026-025

アジアの通貨安、米イラン合意後も中東危機の再燃がリスク ― インフレや利上げによる内需下押し、債務負担の増大による金融不安定化に要警戒 ―

2026年06月18日 細井友洋呉子婧


中東危機の深刻化を受けて、アジアではエネルギーの中東依存度の高い国・地域を中心に通貨安が進行。なかでもインドネシア、フィリピン、インドでは、通貨安を食い止めるために当局が断続的に為替介入を実施し、外貨準備が減少。3ヵ国とも外貨準備は相応の水準にあり、米国・イラン間で戦闘終結が合意され、原油価格も反落していることから、今後通貨安は一服する可能性。もっとも、合意内容やホルムズ海峡の安定的な通行を巡ってなお不透明感が残るため、中東危機が再び緊迫化して通貨安がさらに進む場合には、以下の2点が経済を下押しするリスクに要警戒。

第1に、インフレの高進や金利負担の増大。3ヵ国では危機深刻化局面で上昇した国際エネルギー価格が国内物価に波及しつつあり、フィリピンを筆頭にインフレ圧力が上昇。川上からの価格転嫁が進むと見込まれるなかで、通貨安が再び進めばインフレに拍車をかけ、消費と投資を押し下げる可能性。また、インドネシアとフィリピンは通貨防衛のため、4~6月にかけて政策金利の引き上げを実施。通貨安の進展でさらなる利上げを余儀なくされる場合、家計と企業の金利負担が一層増大し、インフレと相まって内需に打撃となる恐れ。

第2に、債務負担の増大。3ヵ国の対外債務は外貨建て比率が高く、通貨安に伴って自国通貨でみた債務負担が増加しやすい構造。とくにフィリピンは外貨建て債務への依存度が極めて大きく、通貨安が借り手企業の債務返済能力の低下と不良債権の増加を招き、金融システムの不安定化につながるリスクも。


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