リサーチ・レポート No.2021-006
【アジア経済見通し】ポスト・コロナに向けて進むアジア経済~回復が続くものの、米金融政策正常化がリスクに~
アジアでは、中国のほか、台湾とベトナムといった輸出主導の国・地域の景気が好調。先行き、中国景気の好調、IT特需に加え、米国の景気対策効果にも支えられ、回復基調が続く見込み。
ただし、①米国金融政策正常化の前倒し、②経常赤字の再拡大、③過度な財政・金融緩和、といった火種が金融市場の混乱を招く可能性も。特に、回復に出遅れたフィリピン、インドネシア、インドにとってリスク。
欧米による対中圧力は高まる傾向。中国経済への高依存度が、アジア景気を押し上げる反面、リスクとなり得る点にも注意。
主要個別国をみると、中国は新型コロナ感染が収束するにつれて、投資主導型から消費主導型の成長に移行していく公算大。2021年の実質成長率は+9.0%と、前年の反動で高めとなる見通し。ただし、政府が投資抑制策の舵取りを誤れば、景気を冷え込ませるリスクも。
インドでは、ワクチンが普及するまで一定の活動制限が残るため、景気回復ペースは緩慢なものにとどまり、本格回復は2022年以降に。また、商業銀行の不良債権比率の上昇を受けた金融不安定化など、景気下振れリスクが残存。
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