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リサーチ・アイ No.2025-014

トランプ関税によるアジア経済への影響は二極化 ― 外需依存型経済への打撃大、内需主導型経済は影響軽微も通貨安には要警戒 ―

2025年04月22日 細井友洋呉子婧


トランプ政権は、相互関税において、アジア各国・地域に軒並み高い上乗せ税率を設定。中国以外の国・地域に対する上乗せ税率の発動は90日間延期されたものの、先行きの不確実性は高く、金融市場は税率上乗せが予定通り実施された場合のアジア経済への悪影響を懸念。もっとも、関税が経済に及ぼす影響の大きさは、各国・地域の経済構造の違いによって二極化する見通し。

外需依存度が大きい国・地域では、関税引き上げの悪影響も大。ベトナム、台湾、タイ、マレーシアがこれに該当。現在検討されているすべての個別品目関税と上乗せ相互関税が発動される場合のGDPの押し下げ効果は、ベトナムの▲4%超をはじめ、台湾、タイ、マレーシアでも▲2%前後に達する計算。関税引き上げによる対米輸出減少を通じた影響が大きいほか、中国の景気悪化の影響も受けやすい点が懸念。これらの国・地域の政府は、米国産品の購入など対米交渉に向けた対策や経済悪化を緩和するための支援策などに着手。

他方、内需主導型の国・地域では、影響は限定的。インド、インドネシア、フィリピンなどが該当。ただし、いずれの国も経常赤字や対外純債務を抱えるなど、金融面に脆弱性あり。トランプ関税による米インフレ圧力の増大などを背景に通貨安が進む場合、対外債務の支払い増加などを通じて金融システムの不安定化につながるリスクには要警戒。


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