リサーチ・レポート No.2024-012
【日本経済見通し】日本経済は緩やかに回復 -非製造業がけん引、トランプ政策で製造業にリスクー
2024年11月26日 藤山光雄、後藤俊平、藤本一輝
先行きの日本経済は緩やかに回復する見通し。業種別にみると、非製造業の好調が続き、景気をけん引する見通し。インバウンド需要の拡大や企業によるデジタル化に向けた取り組みが、関連するサービス産業の業績を押し上げ。さらに、所得環境の改善で個人消費が回復することも、小売や外食などの個人向けサービスの経済活動を押し上げると予想。デジタル化の進展が労働生産性を向上させ、実質賃金を持続的に上昇させる見込み。
一方、製造業は力強さを欠く展開を予想。生成AI需要の拡大などを受けて関連財への需要は回復しているものの、多くの業種で中国市場での苦戦が続く見込み。中国の内需の弱さや中国企業の競争力向上などが背景。
予想されるイベントとして、トランプ次期米政権による大規模減税などで米景気が浮揚し、わが国製造業が恩恵を受ける反面、米国の対中関税の引き上げで中国経済が打撃を受け、製造業の減収圧力が強まる見込み。
さらに、米国政府がわが国を含む多くの国に関税を課す場合などには、景気が想定以上に下振れるリスクあり。こうしたケースに備え、わが国企業は今後成長が見込まれるグローバルサウスへの進出を図るなど、多角的に外需を取り込む視点が必要。
人手不足の一段の深刻化も経済活動の阻害要因に。「年収の壁」の解消に向けた関連制度の見直しが必要。中小企業を中心に、デジタル化・DXによる生産性の向上も急務。
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