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リサーチ・アイ No.2024-051

中国、予想外に好調な輸出が景気の腰折れを回避 ― 米対中関税延期、新興国EV需要拡大、IT製品需要回復が支えに ―

2024年09月11日 野木森稔呉子婧


中国では輸出が予想外に増加しており、内需不振に直面する中国景気の支えに。8月の中国輸出(ドルベース)は前年同月比+8.7%と前月から伸びを拡大。実質ベースの輸出も高水準を維持。背景には、以下のとおり、①米国による対中関税実施の遅れ、②新興国へのEV輸出の急拡大、③IT関連財の増加、が指摘可能。とくに、EVとIT関連の需要は年末にかけて中国輸出を一段と押し上げる可能性。

第1に、米国による関税引き上げの遅れ。米国政府は8月からの開始が予定されていた対中制裁関税の実施を7月30日に続き、8月30日にも延期を決定。新エネ関連などでの関税引き上げには反対意見が多いことが要因とみられ、この間に駆け込みでの輸出も増えている可能性。

第2に、新興国向けのEV輸出が急拡大。中国製EVへの関税引き上げは、EUですでに実施されているほか、米国やカナダでも予定されている一方で、これら以外の国・地域向けのEV輸出が急拡大。米欧以外の国では関税引き上げの予定はなく、中国製EVを今後も受け入れる公算大。

第3に、世界的なAI関連需要の高まりを受けて、中国によるIT関連製品の輸出も増加。米国による対中半導体規制の強化を背景に先端分野の輸出は増加しにくいものの、安全保障上の問題となりにくいその他の製品については中国製品への需要が増加。

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