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リサーチ・レポート No.2023-014

【欧州経済見通し】ユーロ圏経済は底打ち、英国は低迷持続へ~南欧の財政不安や移民排斥の動きが下方リスク~

2023年11月30日 藤本一輝立石宗一郎松田健太郎


減速が続くユーロ圏景気は、底打ちに転じる見通し。既往の金融引き締めが設備投資や住宅投資を下押しするものの、インフレ圧力は緩和。実質所得の回復により個人消費が持ち直しへ。

ECBは、当面は政策金利を据え置く見込み。賃金上昇圧力の緩和が明確となる2024年後半に利下げに転じると予想。

英国景気は、低迷が続く見通し。労働者による賃上げ要求が根強く、物価と賃金が相乗的に上昇。物価高を受けた高金利の持続が景気を下押し。

BOEは、現行の高い金利を長期間据え置と予想。賃金や物価の一段の上昇への警戒から、引き締め姿勢を維持する見通し。

当面の下振れリスクは、①不動産価格の調整、②金融不安の再燃、③南欧を中心とした財政不安、④ドイツ政治など移民排斥による労働供給の減少。中長期的には、EV輸入規制を巡ってEUと中国の対立が強まり、中国産重要鉱物の調達難などでEV生産や環境投資に支障をきたす恐れも。


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