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リサーチ・アイ No.2023-045

高まる重要鉱物供給リスク、供給網混乱再来の可能性も ― 中国が輸出規制を開始、他の供給国も供給抑制傾向 ―

2023年10月02日 野木森稔立石宗一郎


中国は8月1日から半導体製造に使われる重要鉱物であるガリウムとゲルマニウムの輸出規制を開始。中国からの両財の輸出はゼロとなったとの報道もあり、供給懸念が強まったことから、価格は急上昇。ただし、輸入企業には在庫があるほか、9月に入り中国では一部企業への輸出許可が出されたことから、事態の一方的な深刻化は回避の見込み。

もっとも、以下の2点から他の重要鉱物にも供給懸念が生じる恐れ。第1に、中国は多くの重要鉱物の供給に関して圧倒的シェアを保有しており、中国政府は輸出規制などを外交上の戦略ツールとする動きを活発化させる可能性。とくに、リチウムなどバッテリーの製造に重要な材料を巡る動きが焦点。

第2に、中国以外の供給国でも重要鉱物の供給を抑制する動き。中国依存への懸念から、先進国が調達先の見直しを検討し、重要鉱物への需要が高まっていることを受けて、供給国はそれを活用した産業育成を目的に資源保護を強化する傾向。たとえば、マレーシアは鉱物を精錬・加工する産業育成を目的にレアアース輸出の規制開始を発表。

重要鉱物は、半導体などハイテク製品のほか、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー関連機器にも多く使用されており、供給不安による需要国への影響は大。供給国の思惑的な動きで今後、事態が深刻化すれば、足元で落ち着いている供給網の混乱が再来する恐れも。

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