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リサーチ・フォーカス No.2022-032

台湾半導体を巡る米中対立の激化 ― 高まる台湾の「地経学的」な重要性は帰趨を左右する両刃の剣 ―

2022年08月31日 野木森稔立石宗一郎


ペロシ米下院議長の台湾訪問をきっかけに、台湾を巡る米国と中国の関係が緊迫化し、有事に至る展開を危惧する見方も浮上している。コロナ禍での深刻な半導体不足によって、「地経学」的観点から台湾半導体の重要性は一段と高まっている。米中は台湾半導体を巡って神経を尖らせており、台湾情勢の緊張を高める一因となっている。

中国は産業政策「中国製造2025」、米国は「CHIPS および科学」法により、半導体製造に関する大規模な産業振興策を打ち出しているが、今のところ大きな成果は得られていない。米中ともに台湾半導体への依存度が高いことから、当面、台湾半導体を巡る激しい駆け引きが続くことになろう。

仮に、中国の軍事侵攻などによって台湾半導体の生産に支障を来たせば、米中ともに大きな経済損失を被る。こうした経済的な重要性が、一面では米中間の有事突入に歯止めをかけるブレーキになると考えられる。しかし、半導体を巡る供給網の安定化のために米国は台湾の囲い込みを積極化させており、これが中国に強いストレスをもたらしている。米中が台湾を巡って鞘当てを繰り返す状況が続けば、いずれ経済的損失をかえりみない形での衝突に至る可能性を完全には否定できない。

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