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Heart to Heart  拡大する環境ビジネス 顧客ニーズ、説得力を作り出す戦略を

出典:日本物流新聞 2004年5月30日号


「地球環境問題は、公害問題のように被害者と加害者の関係が明確でなく、社会全体の仕組みや行動を転換させることが必要で、持続可能性がキーワードになる。企業にとっても法遵守や社会的責任などの面からも、国や自治体、生活者との相互関係が不可欠。環境への対応は企業経営の最重要課題で、企業の取り組みも活発化。ハイブリッド車や環境配慮型製品の売上げも急増している。環境省では、環境ビジネスの市場規模(2000年で約30兆円)を、2010年には47兆円、20年には58兆円規模には拡大すると試算しており、今後も大きな伸びが期待されている。しかし、実際のビジネス現場では 1環境へのメリットをアピールしても価格がネックになる 2どこに顧客がいるか不明 3競争が激しい などが壁になっており、『環境ビジネス=生産設備改善』という既成概念から脱却する必要がある。環境分野での顧客ニーズは、法規制や取引先からの要求などへの対応が主で、決して内発的なものではない。環境ビジネスを推進するため、 1顧客ニーズを作りだす 2成功事例を作り出す 3説得力を作り出す 3つの戦略が必要だ」と語るのは日本総合研究所・創発戦略センター主任研究員の足達英一郎氏。同氏は、環境問題対策を中心とした企業社会責任の視点からの産業調査、企業評価を担当、調査や講演活動など多方面で活躍している。「環境ビジネスマーケティングでは、ユーザーと政府や取引先、世論などの訴求先を別個に考える必要がある。例えば、新たな規制やグリーン調達などを誘導することで、新たなユーザーニーズが発生する。その意味で外堀を埋めることが大事だ。また、成功事例を広くPRすることで、顧客が顧客を連れてくるという動きが表面化する。また、客観データによる環境優位性や認証、保証制度による説得力を作ることが、信頼性という視点からも重要になる」「今後の環境政策では、省エネなど地球温暖化対策、廃棄物対策、環境情報の開示、アジア諸国の環境規制強化などが一段と進む見込み。環境ビジネスは医者のマーケティングがヒントになる。具体的には 1医者に掛かりたいという患者はいない=病気を放っておくリスクを告知する、定期的な健康診断を受けさせる 2売り込み主体の営業は逆効果=相談から仕事は始まる 3安心して掛かれる仕組みを作る=国家資格、保険制度 と理解するとわかりやすい。価格面でも、ライフサイクルコストという新たなコスト概念の普及が新たな顧客ニーズを作り出す」(4月27日、山善産業システム部環境メーカー大会の講演会で)

 

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