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ICタグで高度リサイクル 廃棄物の最適管理へ「RFID技術」

出典:日本工業新聞  2003年12月18日

日本総研、約30社でコンソーシアム

新事業モデル具体化

日本総合研究所は、無線通信によってデータ通信が行える自動認識技術「RFID」を廃棄物の適正管理や資源のリサイクルなど静脈産業の高度化に役立てることを目指す複数企業体「MATICSコンソーシアム」を来年1月に発足する。日本総研を中心に、RFID開発や情報システム構築を手がけるIT(情報技術)企業、新技術を活用した廃棄物対策に関心を寄せるユーザー企業などが参加。排出者から発生した廃棄物が中間処理を経て最終処分場にたどり着くまでをRFIDで追跡して不適正処理を防ぐなど、“資源循環”の仕組みを変革する新しい事業モデルを具体化する計画だ。

三菱電機、キャノンなど参加

コンソーシアムは日本総研を中心に約30社で構成する予定。現在、関連企業に参加を呼びかけており、すでに三菱電機やNTTコミュニケーションズ、キヤノン、コクヨなどが参加を表明している。着目するRFIDシステムの中核技術は、情報を電子回路で記憶できる「ICタグ(荷札)」。このICタグは電波を使ってデータを読み取る機能も備えており、“非接触”でリーダーライター(アンテナとコントローラー機能を内蔵)にかざすだけで目的の情報に接触できる。非接触IC技術はすでにさまざまな場面で導入が進んでおり、カードとしての活用ではJR東日本の改札機で利用できる「スイカ」がその代表例だ。日本総研などは、来年3月末までの第1ステップで、まずRFIDを適用する資源循環ビジネス市場などについて調査を進めるとともに、事業モデルを構築する計画。来年4月からは、事業モデルの検証や実際のシステム開発などに取り組む。2005年度には、事業計画の策定と立ち上げを行う最終段階に入る。注目するRFIDの活用方法の1つが、高度なリサイクルの実現。同技術を活用して資源の「製造年月日」「使用場所」「仕様」「化学的性質」「最も効率的なリサイクルの仕方」などの情報を追跡する。これにより、分別の精度を高めるとともに、最適な再資源化ルートに乗せる。あわせて、破砕業者に渡った廃自動車の破砕くずを梱包(こんぽう)したものに、ICタグを装着。この荷物を積んだ運送会社のトラックを、リーダライタの搭載したゲートを通過させる。さらに、処理工場を通過した廃棄物が、適切に最終処分またはリサイクルのルートに流れるかを追跡。不法投棄など廃棄リスクの発生・拡大を未然に防ぐ。活動が生まれたビジネスモデルとシステムの特許出願作業は日本総研が担当。特許所有権は、メンバー企業と日本総研で共有する。

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