記号創発システム論
来るべきAI共生社会の「意味」理解にむけて

- 著者
- 谷口 忠大 編、宮下太陽(第Ⅴ部 Ⅴ-1執筆)、ほか
- 出版社名
- 新曜社
- 出版日
- 2024年9月1日
- 価格
- 3,080円(本体2,800円+税)
記号(言語)の意味はどのように成立しているのか? この根本問題に最先端のAI・ロボティクス研究者と、第一線の人文社会系研究者らが集い探究する新学融領域、記号創発システム論。来るべき生成AIとの共生社会を見通すための、初のキーワード集。
* 人工知能、ネオ・サイバネティクス、プラグマティズム、現象学、発達心理学、ロボティクス、自由エネルギー原理、エナクティヴィズム……等々、人文学から工学まで20名を超える各分野の第一人者が執筆。
目次
はじめに
Ⅰ-2 記号学と記号論 意味を捉える二つの視点
Ⅰ-3 プラグマティズム 記号の意味とは何か?
Ⅰ-4 ユクスキュルの環世界論 生物から見た世界
Ⅰ-5 発達心理学と構成主義 ピアジェから現代まで
Ⅰ-6 ネオ・サイバネティクスと情報 情報とは何か?
ブックガイドⅠ
Ⅱ-2 言語習得 統計学習と社会的認知
Ⅱ-3 ロボットによる語彙獲得 確率モデルに基づく語彙獲得のモデル化
Ⅱ-4 確率的生成モデル ベイズ推論に基づく認知モデリングのための基礎理論
Ⅱ-5 マルチモーダル物体概念形成 確率モデルに基づく概念のモデル化
Ⅱ-6 マルチモーダル場所概念形成 移動ロボットによる空間認知とセマンティクス
ブックガイドⅡ
Ⅲ-2 自由エネルギー原理と予測符号化 脳機能を説明する統一的な計算理論
Ⅲ-3 好奇心と探索 私たちはなぜ学ぼうとするのか?
Ⅲ-4 感情と予測的処理 感情はどのように生まれるのか?
Ⅲ-5 ニューロロボティクス 神経システムでロボットを制御する
Ⅲ-6 ディープラーニングと表現学習 現代の人工知能をささえる基礎理論
Ⅲ-7 世界モデル 主観的な経験から世界を学ぶエージェント
ブックガイドⅢ
Ⅳ-2 エナクティヴィズム 表象なしの身体的行為としての認知
Ⅳ-3 現象学 現われと経験に基づく思考
Ⅳ-4 意識とクオリア 意識の中身と記号はどう関係するのか?
Ⅳ-5 AIロボット社会 記号を用いるロボットと共生するとはどういうことか?
ブックガイドⅣ
Ⅴ-2 言語の進化と創発 ヒトはいかにして言語を手にしたか?
Ⅴ-3 大規模言語モデルと分布意味論 大規模言語モデルは言葉を理解しているのか?
Ⅴ-4 マルチモーダルな言語教育 環境とのプラグマティックなインタラクション
Ⅴ-5 創発する倫理 記号創発システム論が描く倫理の未来
Ⅴ-6 法システムと記号の創発 人と記号の相互触発的な関係性
ブックガイドⅤ
Ⅵ-2 記号創発システムの構成論 複数の主体を繋ぐ確率的生成モデルと言語ゲーム
Ⅵ-3 集合的予測符号化仮説 言語が世界を予測するために私たちが存在するのだとしたら
Ⅵ-4 社会的知能の三層モデル 記号創発システムにおける集合的知性とその時間
Ⅵ-5 生成AIとの共生社会へ向けて これからの私たちが生きていくために
ブックガイドⅥ
あとがき
事項索引/人名索引