現在の日本社会では人手不足や高齢化といった深刻な課題に直面しており、これらの解決策としてロボットが注目を集めている。そのロボット分野では、生成AIの活用が進んでいる。現在、生成AIはAIエージェントへの活用が進み、デジタル領域(例:パソコン上で行う知的作業など)での作業効率化・高度化をもたらすと期待される。さらにその先として、生成AIはロボットなどの物理領域にもブレイクスルーをもたらす可能性がある。
そこで本レポートでは、生成AIを軸にロボット技術の進化について最新の動向および展望を整理した。1章ではロボットにおける生成AIの活用概要を紹介する。ロボットにおける生成AIの使われ方、ロボット基盤モデルの登場、フィジカルAIという概念について紹介する。次に2章では、ヒューマノイドロボットや生成AIを活用したロボットの具体的な事例や、現在の研究動向を紹介する。研究動向では、足元でロボット基盤モデルの研究開発を進めるために、必要な学習データの量・質を確保するための取り組みを紹介する。最後の3章では今後の展望として、今後の生成AIを活用したロボット技術の発展の方向性について記載した。
本レポートは、生成AIとロボットの技術動向を把握したいエンジニアのみならず、新技術の活用を検討する企業の担当者、新技術に対する興味関心の高い一般のビジネスパーソンにも役立つ内容とした。本レポートを通じて、生成AIとロボット技術の現状と、未来の可能性について理解を深めていただければ幸いである。
▼目次
ロボットにおける生成AIの活用概要
- 高まるロボットへの期待
- 生成AI(基盤モデル)の進展
- 生成AIにより汎用性の向上が期待されるロボット
- ロボットにおける生成AIの使われ方
- ロボット基盤モデルの登場
- 注目が高まるフィジカルAI
活用動向、研究開発動向
- ロボットのさまざまな実装形態
- ヒューマノイドロボットの動向
- 生成AIが搭載されたロボットの事例
- その他のAIを搭載したロボットの事例例
- 研究動向
- 研究・開発コミュニティの力を活用
- シミュレーションの活用
今後の展望
- フィジカルAIの進展によって実現すること
- 今後の見通し
▼執筆者
先端技術ラボ 近藤 浩史
先端技術ラボ 伊藤 蓮
先端技術ラボ 近藤 浩史
専門領域
AIの中長期的な動向調査および技術検証に従事。AIおよびXR領域の調査研究に関する組織マネジメントを担当。
先端技術リサーチ
先端技術ラボ 伊藤 蓮
専門領域
AI全般の中長期的な動向調査および、数理最適化、シミュレーションなどのAIに関連した応用研究・技術検証に従事。
先端技術リサーチ
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