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JRI Future Signal#5 「自分婚」が一つの幸せの形になる社会

(背景)「自分婚」の登場
 結婚したいほど愛せる自分自身と出会い、自分と結婚する「自分婚」を選ぶ人が現れ始めている(参考:結婚相手に自分自身を選ぶ「自分婚」)。突飛な話題として受け取られるかもしれないが、現在、価値観やそれに基づく生き方は、多様な形が認められるようになりつつある。また、幼い頃から「幸せになる方法」を教えるウェルビーイング教育(参考:ウェルビーイングを教える小学校)や、インスタグラムを始めとしたセルフィ―の広がりは、自己愛を肯定的に捉える潮流の表れなのかもしれない。折しも筆者の娘が大好きな「ヒーリングっど・プリキュア」の2021年1月31日に放送された回でも、主人公が敵役からの「助けてくれ」の依頼を断り「私の体も、心も、全部私のものだ」と宣言するシーン(*)があり、このFuture Signalのイメージにシンクロした。

(変化の概要)「自分婚」は自己愛の成就の完成形
 「自分」を大事にすることに習熟した新しい世代が社会で活躍するようになれば、自分を愛すべき存在として認識し、「自分婚」を一つの結婚の形として受容する社会が到来するかもしれない。従来の結婚と言えば、パートナーがいることが大前提だったが、「自分婚」では自分一人で結婚することができる。かつてナルシストと軽蔑されていた自己愛は、この社会においては肯定的に捉えられ、「自分婚」が社会的な一つの幸せの形として認知されている。
 「自分婚」は社会の中で自身が精神的に自立し、完成した状態となったことの証明や、外部に対してもうパートナーを探していないと発信する意味合いもある。しかし、こういった他人からどう見えるかよりも、「自分婚」の本質は自己愛の成就の完成形としての結婚を行う、もしくは行った自分が自分をどう見るか、にあるのだろう。


(変化後の社会)「自分婚」社会での家族制度の変化の可能性
 「自分婚」が当たり前となれば一生涯パートナーを持たない家族(個人?)が一定数いるということを前提に、家族制度も変更を余儀なくされる。そうすると「自分婚」のまま子(養子または自身のDNAを引き継ぐ子)を持つ家族制度が登場するかもしれない。あるいは子供は両親が育てるものではなく信頼し合うコミュニティの中で育てるものになるかもしれない。どのような子供との関係を持つとしても、一貫している部分は、子供を育てている自分が好き(もちろん子供のことも愛しているのだが)ということだ。


背景となる未来の兆し
結婚相手に自分自身を選ぶ「自分婚」
自分自身と結婚を誓う「セルフ・マリッジ」をする女性が欧米で目立ち始めている。自分の価値観、自分の優先したいことについて、はっきりと取り決めを持つことが良いことだと考えるようになったことがきっかけだ。大事なのは自分にとって意味があることだそう。一般的には「未婚」は「まだしていない」「これからする」という印象を与えるものだが、その枠組みから自由になる「自分婚」は「既婚」と同等の選択肢の一つとなるのか。
[出所]https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2018/10/post-82_1.php


ウェルビーイングを教える小学校
米マイアミにウェルビーイング(豊かさ、幸福)を教える小学校が開校した。幸せになる方法を学ぶことを根底に置いたカリキュラムを組んでいるとのことだ。インドでも同様の学校が存在する。自殺やうつ病が蔓延する中、「幸せ」は学ぶべきものになっていくのかもしれない。
[出所]https://ideasforgood.jp/2019/10/08/centneracademy/


(*)
その他の参考情報
プリキュアの内容は下記記事に紹介されている。
[出所] https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_60238466c5b6c56a89a56506



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