ビューポイント No.2026-027 地球温暖化、あと3年で+1.5℃を超える世界 ― 現実を直視した緩和・適応の推進が急務 ― 2026年10月26日 大嶋秀雄10月21日に国連環境計画(UNEP)が公表した、パリ協定の温室効果ガス(GHG)排出削減目標と現状のギャップを評価する「排出ギャップ報告書」によれば、排出削減の遅れによって、世界平均気温の上昇を産業革命前対比+1.5℃未満に抑えることが困難となり、+1.5℃からの一時的な超過(オーバーシュート)が不可避に。2025年のGHG排出量は、山火事の減少や、太陽光発電等の導入加速によって、前年比でほぼ横ばいとなったものの、ピークアウトしたかは不透明。今後は電力需要の増加が排出量を押し上げる可能性も。現在の各国政策を前提とすれば、2035年時点でもGHG排出量の減少は小幅にとどまる見通し。現在のGHG排出量が続けば、約3年で「+1.5℃を超えた世界」が到来する可能性。+1.5℃からのオーバーシュートが避けられないなか、各国に求められる取り組みの方向性は以下。(1)オーバーシュート後の1.5℃目標達成に向けた、「2050年CN目標」再考多くの国は、パリ協定の1.5℃目標を踏まえて2050年カーボンニュートラル(CN)目標を設定。しかし、排出削減の遅れで2050年CNだけでは1.5℃目標達成は困難に。オーバーシュート後に+1.5℃へ戻すには、排出量を実質マイナス(ネガティブエミッション)にする必要があり、従来の「2050年CN目標」の再考が必要に。(2)「+1.5℃を超えた世界」を踏まえた緩和策・適応策の推進温暖化は時間差を伴って地球環境を変化させ、社会・経済への悪影響も深刻化。現在の各国政策に基づく「+1.5℃を超えて+2.8℃に向かう」シナリオ等における、気候変動の影響評価を精緻化し、「適応策」や「損失と損害」支援を具体化。同時に、気候変動による被害や適応・海外支援等の負担なども踏まえて、社会全体の負担を最小化する観点から、緩和策を加速する必要。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)