コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

ビューポイント No.2026-002

生成AIが変える職種構造と高度現場人材(AEW)の創出

2026年04月13日 山田久


ILOの分析によれば、生成AIのオフィス労働への影響は大きいが、現場労働への影響は相対的に小さい。さらに、オフィス労働の低・中技能レベルは代替される可能性がある一方、オフィス労働の高・中技能レベルおよび現場労働全般では生産性が高まる可能性あり。米国では、生成AIを含むデジタル技術による雇用構造の変化が見られはじめており、オフィス専門職よりも現場系職種の賃金上昇率が高い傾向が看取。最近では大卒若手の就職難が指摘されるようになっており、ブルーカラー職種の人気が相対的に高まる傾向も。

わが国では、生成AIの職種構造への影響自体はまだ見えにくいが、現場系職種の労働力不足がオフィス系職種よりも深刻化。その背景として、若年人口が継続的な減少をたどるなか、大卒比率がハイペースで上昇してきた結果、現場系労働力の主な供給源である非大卒者が大きく減少してきたことが影響。外国人労働者に頼るにも限界があり、現場労働の生産性の向上以外に解決は困難。

現状の現場労働分野でのデジタル化の遅れを勘案すると、デジタル技術をロボット工学などの新技術と融合して業務の効率化・自動化を進めれば、現場労働の生産性を飛躍的に向上させることは可能。その際重要なのは、一握りの戦略部門主導の「技術起点のDX(デジタル・トランスフォーメーション)」ではなく、多くの現場人材が理解し活用できる「現場起点のDX・BX(ビジネス・トランスフォーメーション)」であること。その推進者となるのが、技術と現場をつなぐ高度現場人材=アドバンスト・エッセンシャルワーカー(AEW)。AEWの創出は現場労働の魅力を大きく高めることで、生成AIによる雇用代替の対象となる大卒ホワイトカラーの受け皿になるほか、オフィス部門のデジタル化を加速させる触媒に。

AEWは「AI本格普及時代」に対応した産業・雇用構造構築の鍵を握るが、それは成り行き任せで自然に広がっていく保証はない。産官学、政労使が協力し、①AEWの能力要件(コンピテンシー)の明確化、②育成プログラム策定と職業能力認定制度の整備、③社会的価値に見合った処遇実現のための賃上げ原資の確保、の3点に取り組む必要あり。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)

経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ