ビューポイント No.2025-041 社会保障に組み込まれた中国の不動産政策の狙い 2026年03月26日 佐野淳也、枩村秀樹中国の不動産政策が大きく軌道修正された。従来はマクロ経済政策・産業政策としての位置付けであったが、2024 年ごろから社会保障の一環として位置付けられるようになった。最も象徴的な動きは「不動産新発展モデル」の提唱である。具体的な施策としては、地方政府が低価格・低賃料で供給する「保障性住宅」の拡大や「良質な住宅」構想の推進などが挙げられる。こうした動きの背景には、①デベロッパーの従来型ビジネスモデルや国民の投機志向がバブルの温床になったこと、②不動産が地方政府の景気対策として用いられたこと、といった二つの反省に加え、③習近平国家主席が目指す国民生活重視、共同富裕重視の実現を狙ったこと、などが指摘できる。社会保障の下での新しい不動産市場では、政府と国有企業が主要プレイヤーとなり、民間企業の営利活動には一定の制限が課されるほか、国民にも適切な振る舞いが求められるようになる。政府は、マクロ経済政策の観点からは、不動産不況をある程度まで許容することになり、産業政策の観点からは、不動産企業の整理・破綻を許容することになろう。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)