ビューポイント No.2025-039 全人代で示された2026年の中国経済運営の注目点 2026年03月25日 佐野淳也、枩村秀樹中国では、国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が3月5~12 日に開催された。今回注目されたのは、さらに踏み込んだ内需刺激策が打ち出されるかどうかであった。ところが、目立って積み上げられた財政・金融政策は見当たらず、一見、中国政府は内需拡大を諦めたかのようにも映る。しかし、細部を読み解くと、強気の政策スタンスも浮かび上がってくる。まず、今年の成長目標実現に対する強いこだわりが感じ取れる。また、短期の成長確保だけでなく、中期の改革も重視している印象がある。今年の全人代は、習近平総書記が政府に対して二つの難題に取り組むことを課したことが特徴といえる。こうした動きは、習総書記が頭の中に思い描く二つの「思い」が滲み出たものと思われる。一つ目は政策運営に対する自信であり、追加景気対策を講じなくても、政府主導による消費マインド改善と冷静・適切な政策運営で十分な景気浮揚効果を得られるという思いである。二つ目は長期政権に向けた実績づくりであり、今年から始まる5カ年計画に盛り込まれた諸改革で一定の成果を積み上げたいという思いである。今年の全人代は、足元の内需低迷は正しく認識しているものの、習総書記の過度の自信に阻害されて、適切な対策が講じられていないと考えられる。いったんは成長率が上向く可能性はあるものの、再び内需低迷色が強まり、後追いの追加経済対策を迫られる展開も予想される。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)