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リサーチ・レポート No.2026-005

【2026~27年米国経済見通し】AIが主導する米国の景気回復と格差拡大~リスクは投資腰折れと分断の加速~

2026年06月30日 森田一至


先行きの米国経済は総じて回復する見通し。旺盛なAI需要とそれに対応した供給体制の整備が、設備投資の拡大や生産性の向上、株価の上昇といった複数の経路を通じて、景気回復を主導する見込み。加えて、インフレ圧力の緩和が家計の所得環境を改善させると予想。

もっとも、こうした成長は「K字型」の様相を帯びており、その恩恵は一部に偏在する公算大。AIの普及は、家計部門から企業部門への所得移転を促す方向に作用。また、恩恵はテクノロジー企業や金融業など高付加価値分野に集中しやすく、業種間の格差が拡大する見込み。加えて、金融資産の保有が限られる低中所得層では、株高による恩恵も限定的。

当面のリスクは、AI投資の腰折れと分断の加速。電力などAIに関連する供給制約が顕在化した場合、成長のボトルネックとなる可能性。足元の資産価格や投資水準はAIの高成長を織り込んでいるだけに、その期待が崩れた場合の影響は金融市場と実体経済の双方に波及する恐れ。加えて、米国政府の強硬な対外政策が自国経済に跳ね返るリスクには要警戒。地政学的な緊張が資源高を招く場合、低中所得層の家計が一段と圧迫され、政治的分断が拡大する恐れ。中間選挙の結果やその後の対外政策にも影響を及ぼし、不確実性やインフレ圧力の高まりを通じて景気が下振れる可能性も。


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