リサーチ・レポート No.2025-013
【2025~27年度日本経済見通し】内需主導で緩やかな回復が続く日本経済 ~ 近づく供給の天井、インフレや企業活動の停滞がリスク ~
先行きの日本経済は緩やかに回復する見通し。輸出は当面弱含むも、早晩底打ちに転じる見込み。世界的なAI需要の強さを受けて半導体関連輸出が増勢を維持するほか、各国の緩和的な財政・金融政策により世界景気が持ち直すことも輸出を押し上げ。
輸出の弱含みなどにより企業収益が下押しされるなかでも、企業は設備投資・賃上げへの積極姿勢を維持すると予想。省人化・DX化といった中長期的な課題解決に向けた投資などが下支え役となるほか、人手不足や物価高により賃上げ圧力は強い状況。
良好な雇用所得環境が続くなかで、個人消費は緩やかに増加する見通し。労働供給に陰りがみえるなかで雇用の増勢は鈍化するものの、高めの賃上げの継続と物価の落ち着きが家計の購買力を押し上げ。エネルギー・食料価格の伸び低下が、インフレ率を下押し。
メインシナリオでは、供給制約は限定的にとどまると仮定。もっとも、①高市政権の掲げる政策が需要を過度に刺激する場合、②わが国の食料供給の脆弱性や③外国人労働者の流入減により供給力が弱まった場合には、需給のひっ迫に伴うインフレの高進や、人手不足などに起因する企業活動の停滞を招くリスクも。
供給制約やインフレ高進を乗り越えるためにも、政府・日銀は過度に緩和的な政策スタンスを避け、供給力の強化や金融政策の正常化に注力する必要。加えて、なし崩し的な外国人労働者の受け入れを改め、わが国の「移民政策」の将来像を示すことも、国民からの理解を醸成しながら、人口減少下の成長ビジョンを策定するうえで重要に。
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