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リサーチ・フォーカス No.2026-058

米国中間選挙プレビュー② ―上下院ともに劣勢の与党共和党、結果は「ポスト・トランプ」へのヒントに―

2026年10月22日 福田直之、ジェイムズ・パターソン、野木森稔


2026 年 11 月3日に実施される米国中間選挙が近づくにつれ、物価高や燃料高への不満などを背景に、与党・共和党への逆風が強まっている。直近の調査からも、全議席改選の下院は民主党が引き続き優勢であり、上院は共和党も過半数維持が難しいとの見方も多い。下院は民主党が過半数獲得、上院は共和党による過半数維持という7月発行の「米国中間選挙プレビュー①」で示したメインシナリオは変わらないが、上下院ともに民主党が過半数を獲得する可能性も高まっている。ねじれ議会または分割政府、いずれの場合も、新規立法や歳出、行政監視の面で内政上の制約は強まるが、大統領拒否権、大統領令などの単独権限は維持される。

内政での成果が見込めなくなるなか、トランプ政権は議会の制約を受けにくい対外政策をより強化させる可能性が高い。関税政策を巡る不確実性の長期化は、貿易や企業投資を抑制し、世界経済の下押し要因となる恐れがある。また、中国とは先端技術分野での管理された対立を継続しつつ、キューバ等への限定的な軍事行動も選択肢となり得る。ただし、国内の生活費不満や任期切れが意識されることで対外圧力の効果自体は徐々に薄れる可能性もある。

今回の選挙は、「ポスト・トランプ」の米国を見通すうえでも、その結果は注目されるものとなる。米国第一主義のMAGA派が勢いを維持できるのかといった点や、急進左派と言われる議員の台頭などが注目点となろう。もっとも、2029年以降も、米国では国内産業の強化や先端技術分野を軸とする対中競争などの政策目標は党派を超えて維持される見通しである。一方で、保護主義的な手法や国際協調のあり方といった実現手段・優先順位は政権ごとに変化し得る。わが国にとっては、トランプ政権終了で「米国リスク」が解消するわけではないため、政権交代に一喜一憂せず、自律性を保った産業構造調整と対外経済関係の構築が必要である。


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