リサーチ・フォーカス No.2026-053 加速する結婚・出産意欲の低下 ―第17回出生動向基本調査の公表を受けて― 2026年10月06日 藤波匠コロナ禍によって急減した婚姻数が2023年に底を打ったことにより、出生数も下げ止まりの状況にあるが、これは出生数が安定していた 1990 年代生まれの世代による婚姻数の下支えや、結婚を後ろ倒しにしていた人の反動によるものであり、一過性に終わる可能性もある。 2026年9月に公表された最新の出生動向基本調査によれば、若い世代の結婚・出産に対する意欲に顕著な低下がみられ、今後、再び少子化が進む可能性がある。 結婚意欲の低下 18~19歳の未婚者で「一生結婚するつもりはない」と答えた割合は、2021年以降明確に上昇し、2025 年には男女とも 20%近くに達した。結婚時期の判断でも「年齢」より「理想的な相手」を重視する傾向が強まり、理想の相手が見つかるまで急がない意識が広がっている。 希望子ども数の減少 未婚者の希望子ども数は2015年以降減少し、「いずれ結婚するつもり」の男性1.64人、女性1.70 人、「(結婚を望まない人も含む)未婚者全体」では男性1.30人、女性1.36人となった。未婚者全体の減少傾向は一層顕著となり、未婚率の上昇が少子化を加速させている様子がうかがわれる。政府が「希望の実現を目指す」とする希望出生率を試算すると、1.44となる。 結婚・出産をめぐる二極化 「子どもはいらない」または「1 人」を希望する未婚者が増え、結婚しても子どもを持たない夫婦の増加が見込まれる。一方、子どもを望む夫婦では早期の妊娠を希望する割合が高まっており、結婚・出産を望む人と望まない人の意識が両極端となっている。 足元、積極的に進められている少子化対策は児童手当や子育て費用の無償化であるが、それらに加え、出会いの機会や結婚を支援する施策を強化する必要がある。出会いの経路では職場や友人を通じた機会が減る一方、インターネットが約 20%まで増えており、それを安全に利用できる仕組みが課題となる。また、女性の結婚意欲を高める要素として、自らの「収入や貯蓄が増えること」が示されている。女性の経済力向上や正規雇用化なども重要な取り組みである。 (全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)