リサーチ・フォーカス No.2026-047 拡大する単身世帯と二人以上世帯の収入差 ― 配偶者の有無によらない税・社会保障の実現が必要 ― 2026年09月29日 井上恵理菜単身世帯数が全世帯数の3分の1を超えるなか、過去20年間で単身世帯と二人以上世帯の収入差は拡大している。世帯形成が本格化する30歳代では、単身世帯の収入が減少する一方、二人以上世帯の収入は増加した。 二人以上世帯と単身世帯の収入差拡大の背景には、①低所得層の未婚率上昇などによる世帯主収入の差の拡大、②共働き化の進展による配偶者収入の増加、③子育て世帯向け給付の増加がある。 税・社会保障制度においても、配偶者控除・配偶者特別控除、第3号被保険者制度、健康保険の被扶養配偶者制度などにより、一部の二人以上世帯の負担が軽減されるため、単身世帯は二人以上世帯より相対的に重い負担を負っている。 単身世帯の増加や単身世帯と二人以上世帯の収入差の拡大を踏まえると、配偶者の有無やその就業状況によって負担や給付が変化する「配偶者依存型制度」は、公平性の観点から見直しが求められる。 一方で、少子高齢化が進む日本にとって、次世代育成は重要な政策課題であり、児童手当や保育支援など、子どもの養育や就業継続を支援する制度は引き続き維持・拡充する必要がある。 今後は、配偶者控除や第3号被保険者制度、健康保険の被扶養配偶者制度などの「配偶者依存型制度」そのものを見直す必要がある。こうした見直しは、単身世帯と二人以上世帯の公平性を高めるだけでなく、財政基盤の強化や女性の就業促進を通じて、経済成長にも寄与すると期待される。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)