リサーチ・フォーカス No.2026-046
わが国で重要となる電力制約を踏まえたAI戦略 ― 日米比較からみるわが国の活路、省エネ・高効率AI戦略 ―
AIの活用は、試行的な導入の段階を終え、業務やシステムに組み込まれる段階に入りつつある。今後、AIエージェントやフィジカルAIなど、AIが一層進展し、担う処理が広がるほど計算量は加速度的に増大し、それを支えるデータセンター(DC)の電力消費も大きく膨らんでいく。
AI開発・普及を先導する米国では、DCの建設ラッシュを背景に送配電網への接続手続きが滞りがちであるものの、豊富なエネルギー資源と広大な用地を擁し、電源の新増設余地は大きい。AI向けDCの拡張が電力需要を押し上げるなかでも、その伸びに見合う供給力を確保しうる環境にある。
これに対しわが国は、大規模な発電所の立地余地が限られるなど、新たな電源確保のハードルが高い。米国のように、十分な電力を確保したうえでAIに大規模な計算資源を投入する戦略を採ることは容易ではない。
わが国では政策面において、送電網の混雑解消や送電余力の可視化といった既存設備の有効活用を急ぐとともに、電源を併設したDCの整備や地域と連携した立地誘導を進める必要がある。
もっとも、こうした取り組みだけで電力の制約を解消することは難しい。企業の側にも、タスクの難易度に応じたAIの使い分けに加え、AIに渡すデータの絞り込み、AIの処理回数の抑制など、高効率なAI活用の仕組みづくりが求められる。
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