コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・フォーカス No.2026-027

本邦多角化企業の動向と スピンオフの活用について ~米国企業の事例を踏まえたインプリケーション~

2026年07月24日 吉田剛士


近年、ガバナンス改革の進展やアクティビズムの活発化を背景に、多角化企業に対する見方が厳格化。わが国では、多角化企業が米国に比べて多く、企業価値が専業企業より低く評価される「多角化ディスカウント」が存在。

多角化ディスカウントの背景として、高レバレッジを活かした積極的な投資活動が収益性向上に結びついていないほか、低収益事業の温存が資本効率を悪化させ、投資家に企業価値毀損リスクとして織り込まれている可能性。

一方、米国には、充実した情報開示や本社機能の明確な説明等により多角化プレミアムを創出する企業が存在。また、スピンオフによってノンコア事業を分離させることで、元親会社と分離会社双方の株主価値を増大させる事例も多い。

多角化ディスカウントを解消して企業価値を向上させるため、本邦上場企業として以下の3点の対応が重要。

① 多角化ディスカウントを防ぐためのセグメント情報の開示拡充
投資家が事業価値算定を行えるよう、セグメント別の資本収益性や将来の成長予測に資する情報を網羅的に開示する必要。加えて、本社が傘下企業の価値創造を牽引しているという「価値創造ストーリー」をロジカルかつ定量的に説明することが重要。

② ポートフォリオ改革を着実に遂行するためのガバナンス強化
資本収益性と成長性を軸に各事業を定量的に評価する仕組みを構築し、資本コストを下回る事業や自社がベストオーナーでないと判断した事業は迅速に分離する必要。経営陣の報酬設計を欧米型の設計へ移行させることも不可欠。

③ 適切な事業切り出し手法の選択(スピンオフの積極的な活用)
事業分離にあたっては、事業売却やカーブアウトだけでなく、切り出す事業の税務上の評価や買い手側の問題等を総合的に勘案し、スピンオフを含めた最適なスキームを検討すべき。グループ内で一定の連携を残す必要がある場合には、パーシャルスピンオフも有効な選択肢に。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ