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リサーチ・フォーカス No.2026-012

大都市周辺の人口移動に変化

2026年05月22日 藤波匠


コロナ禍の影響を脱し、回復傾向が続いていた東京圏の転入超過数が、2025年は減少に転じた。三大都市圏全体でみると転入超過数はおおむね横ばいであり、東京圏の減少分を名古屋圏や大阪圏が吸収した形。

東京都区部(23区)を含む全国21の大都市における人口移動の状況を見ると、これまで人口吸引力が強かった都区部や千葉市、大阪市で転入超過数が目立って減少した。

一方、東京圏では、都区部や千葉市に隣接、近接するさいたま市や横浜市、川崎市、相模原市、また大阪圏では、京都市、堺市、神戸市において、転入超過数の増加、もしくは転出超過にあった自治体ではその縮小や転入超過に転じる動きがみられた。これらの周辺都市が、都区部、千葉市、大阪市における転入超過数減少の受け皿として機能したとみることが可能。

2025 年に転入超過数が減少に転じた都区部、千葉市、大阪市は、住宅地価の上昇率がいずれも 5%を超えており、低所得層や若い世代の多くが都区部などへの転入を断念、もしくは都区部などから転出する動きが生じていると推察される。

2025 年の都市部における人口移動において特筆すべきは、出生数の増減と逆の動きをしたことである。都区部や千葉市、大阪市では、転入超過数が減少した一方で、出生数は増加もしくは微減にとどまった。逆に、それらの都市の転入超過数減少の受け皿として機能した周辺都市において、出生数が大きく減少した。

以前は結婚、出産を機に郊外に転出する動きが多く見られたが、足元では子どもを持つ世帯が都心部に定着している様子が見て取れる。背景には、夫婦がともにフルタイマーである世帯が一般的となり、それに伴い子育てをするうえで職住近接の重要度が高まっていることがある。また、財政力のある東京都などで先行する手厚い子育て支援策が、子育て世帯の都心居住を後押ししている。一方、子どもを持たない世帯の中でも、とりわけ低所得世帯にとって、不動産価格の高騰が続く都心居住は困難に。

自治体間で見られる子育て支援政策の格差を是正する政策的な配慮や、不動産価格の安定を含め、若い世代が希望するエリアに暮らせる環境の整備が必要。


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