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リサーチ・フォーカス No.2025-061

外国為替市場における主体別取引動向~ノンバンクセクター(NBFI)のプレゼンスの向上と為替相場に与える影響~

2026年01月29日 吉田剛士


外国為替市場は1日あたり約9.6兆ドルが取引される世界最大の金融市場。従来、為替相場の決定要因について、二国間の金利差や国際収支統計を用いた分析が広く用いられているが、それだけでは相場変動を十分に説明できない局面が存在。

その一因として、外国為替市場における市場参加者の多様化や取引戦略の高度化を指摘可能。国際決済銀行(BIS)の調査をみると、かつては銀行間取引が外為市場の中核をなしていたが、近年では機関投資家やヘッジファンド等のノンバンクセクター(NBFI)のプレゼンスが拡大。

NBFIは、実需の裏付けがない投機取引や、外貨建て資産の保有に伴う為替リスクの調整(ヘッジ)などを、為替デリバティブ商品を活用して実施。これらの取引は、その過程でスポット取引を伴うことが多く、為替相場に直接的な影響を与える一方、こうした取引の多くは、国際収支統計では捕捉しきれず、実態把握が困難に。

実際に、NBFIのヘッジ行動によって、為替相場の変動が助長されたと考えられる直近の事例として、以下の2つが存在。

① 2022年以降のドル高・円安進行:FRB の急ピッチでの利上げにより、ヘッジコストが急騰。これを受け、本邦機関投資家はドルエクスポージャーに係る為替ヘッジ比率を引き下げ。それに伴い、スポットでのドル買い・円売り需要が増加し、ドル高・円安を助長。

② 2025年4月のドル安局面:トランプ政権の関税政策への懸念から、非米国居住投資家は保有するドル建て資産へのヘッジ比率を引き上げ。この過程で、スポットでのドル売り・自国通貨買いが発生し、ドル急落を招来。

金融市場にストレスがかかる局面では、資産防衛のためのヘッジ需要や、顧客からの解約要請の急増を受けた流動性需要の高まりにより、NBFI の為替取引は一方向に傾きやすく、流動性の枯渇やボラティリティの急上昇を招く恐れあり。金融セクターとしては、こうしたリスクを認識し、市場のモニタリングや、流動性リスクに係るストレステストの実施・検証など、リスク管理体制の高度化に努める必要あり。


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