コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・フォーカス No.2025-038

カーボンフットプリントの普及に向けた課題~2030年の社会実装に向けて~

2025年09月26日 大嶋秀雄


わが国政府は、脱炭素社会の実現に向けて、製品・サービス単位の温室効果ガス排出量である「カーボンフットプリント(CFP)」の可視化が重要であるとして、2030年までの社会実装を目指す方針。

CFPは、企業や家計の排出削減の加速に向けて、様々な役割が期待。具体的には、サプライチェーン内の①排出実態の把握や②優先度の高い排出削減策の特定のほか、③低炭素製品・サービスの普及や、④家計における排出削減・意識改革の後押し、⑤政府の気候変動政策の実効性向上など。

国内外でCFPに関する取り組みが進展。海外では、欧州を中心に、国際規格の整備やCFPを含む環境ラベルの普及等が進み、EUでは、バッテリー規則や炭素国境調整措置などCFPに基づく規制も。わが国でも、CFPを含む環境ラベルやCFP算定サービスが広がりつつあり、政府も、算定・表示等に関するガイドラインや製品別算定ルールの整備、モデル事業などによって普及促進を図る。

もっとも、CFPの普及に向けては解決すべき課題が山積。今後求められる取り組みは大きく以下の4つ。
①GHG排出量計測の普及
大手企業等による排出量計測や未計測の取引先に対する支援強化のほか、政府による排出量開示規制や中小企業に対する計測支援策、計測支援人材の育成の後押し。
②データ連携の仕組み作り
官民連携によるデータ連携プラットフォームの構築や、データ形式・計測ルールの国際標準化、気候変動対応以外も含む多様な課題解決に向けたデータ連携の仕組み検討。
③信頼性の向上
企業における算定ノウハウ蓄積・精度向上や、検証サービス普及のほか、政府による算定・表示ルールやグリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)対策、環境ラベル等の認定制度の整備。
④インセンティブ・支援・規制強化
企業によるグリーン調達の積極化やCFP算定コストの価格転嫁、政府による低CFP製品・サービスへのポイント付与や一部製品カテゴリのCFP表示義務化・上限設定。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ