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リサーチ・フォーカス No.2025-033

地方銀行に求められるIRの強化と成長戦略の加速

2025年09月03日 大嶋秀雄


近年、わが国の上場企業は投資家を意識した経営が求められており、IR(Investor Relations)強化が課題。資本市場改革等によって、株主が取引関係のある銀行・事業会社から海外・機関・個人投資家へシフト。投資家によって重視する項目が異なり、ニーズを踏まえたきめ細かなIRが重要に。

銀行セクターをみれば、これまで低金利環境が続くなか、投資家における”成長期待”は低く、PBR(株価純資産倍率)は長年低迷。しかし、足元では、日銀の金融政策修正を受けて、銀行セクターのPBRは1倍超に。もっとも、PBR改善は大手行が牽引しており、地銀の”成長期待”は依然低い。

今後、投資家の成長期待を高めていくために、地銀に求められる対応は以下の通り。
(1)投資家との対話の強化
近年のPBR改善は金利上昇が主因で、各行の収益力強化等を十分反映せず。近年、銀行ビジネスは多様化しており、IRを通じて投資家の銀行ビジネスに対する理解が深まれば、企業価値評価の改善につながる可能性。安定株主の確保に向けても、IRによる銀行ビジネスの理解深耕は重要。

(2)成長戦略の具体化
多くの地銀が資本コストを踏まえたROE(自己資本利益率)目標等を掲げているが、実現可能性は不透明。とりわけ、地銀のビジネス環境は厳しく、従来のビジネスモデルの持続性に懸念があり、新規ビジネス参入等を含む、成長戦略の策定・推進が不可欠。

(3)成長投資の強化
近年、銀行は設備投資を強化しているが、大手行中心。成長戦略の実現には、地銀でも人材・システム等への成長投資が不可欠。株主還元は必要ながら、投資家と成長投資の必要性を共有したうえで、成長投資を強化する必要。場合によっては、増資等の資本調達も選択肢。


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