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リサーチ・アイ No.2026-067

フランスの財政・政治不安が重石となるユーロ相場 ― 難航する財政再建と大統領選挙後の下振れリスク ―

2026年10月30日 立石宗一郎、西村朱央


本年9月中旬以降、為替市場では、ユーロ安が進行。フランスの財政・政治不安の高まりがユーロの下押し圧力に。9月には、フランス政府が2026年の財政赤字目標は未達となる見通しを表明。10月初には、540億ユーロ規模の財政再建策を盛り込んだ2027年予算案を公表したものの、議会の反対で審議は難航。財政再建策への反発や、既往の物価高や教育など公共サービスへの不満を背景に、各地でデモやストライキが発生。国債市場では、フランス財政への警戒を受けて、仏独10年金利差は2010年代前半の欧州債務危機以来の水準へ拡大。

当面、フランスの財政再建を巡る不透明感がユーロの重石となる見込み。政府は、EUの過剰財政赤字是正手続きのもと、2029年までに財政赤字をGDP比3%以内への縮小を目指す一方、赤字削減は大統領選後の2028~29年に偏る構図。過去にも是正期限が延長された経緯があり、目標達成は不透明。すでに、年金所得控除の縮小案など政府の財政再建策が一部修正されており、当初案よりも財政赤字が拡大する恐れ。採決も延期され、予算審議は長期化する見込み。

さらに、来春のフランス大統領選挙後、財政不安が一段と高まることで、ユーロが下振れするリスクに注意が必要。世論調査では、極右政党・国民連合のルペン氏の支持率が首位。同氏は、2032年までに26年対比1,400億ユーロの財政収支の改善を掲げる一方、大規模減税も主張。財政再建策には、制度変更を伴う移民関連策や、他の加盟国との調整を要するEU拠出金の削減が含まれており、歳出削減が計画を下回る一方で減税が実施されれば、財政赤字が計画を上回る可能性。


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