リサーチ・アイ No.2026-057
米国、中間選挙後に懸念される政治分断と生活苦の悪循環 ― アフォーダビリティの悪化が長期化すれば、家計購買力の下押しを通じて景気下振れリスクに ―
2026年09月29日 森田一至
11月3日に投開票を控える米国中間選挙では、物価高を背景に、生活費を無理なく賄えるかという「アフォーダビリティ」が有権者にとって最大の争点に。アフォーダビリティ悪化の影響は所得に占める生活必需品支出の割合が高い低中所得層ほど深刻。こうした層の不満が与党・共和党への逆風となり、民主党が下院を奪還し、ねじれ議会が生じると予想。
生活苦が深刻化するなか、既存政治への不満を背景に、左右双方で大衆迎合的な勢力が伸長。世論調査によると、民主党支持者の3分の1が左派寄りの民主社会主義者であると回答したほか、共和党支持者の約半数を米国第一主義のMAGA派が占める状況。
政治姿勢の先鋭化は、以下の2点を通じて家計負担を増幅させる負のスパイラルをもたらす可能性。第1に、内政の停滞。ねじれ議会では、統一政府と比較して法案成立数が少なくなる傾向。政治分断が深まることで超党派での合意形成が難しくなり、家計支援策などを機動的に講じられず、家計の生活苦が長期化する恐れ。
第2に、対外姿勢の強硬化。内政での政策実現が難しくなるなか、岩盤支持層であるMAGA派の支持を背景に、トランプ政権は選挙後に関税引き上げや軍事介入を含む対外政策に注力する可能性。この場合、財やエネルギーに対する供給面からのインフレ圧力が高まり、低所得層を中心に家計の購買力が一段と下押しされる見込み。
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