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リサーチ・アイ No.2026-056

財政リスクが押し上げる主要国の長期金利 ~ タームプレミアム上昇を通じた金融システムへの波及に要注意 ~

2026年09月29日 谷口栄治


主要国では、足元で長期金利の上昇が顕著に。実際、本年初から9月下旬にかけて、米国、日本、英国、ドイツ、フランスの長期金利(10年物国債利回り)が70~100bp程度上昇。

国際決済銀行(BIS)は、本年9月に公表した「Quarterly Review」において、主要国における長期金利上昇の要因として、タームプレミアムの上昇を指摘。実際、米国、ユーロ圏の10年物国債のタームプレミアムをみれば、インフレを巡る不確実性を反映したインフレ・リスクプレミアムよりも、財政リスク等を反映した実質リスクプレミアムが上昇要因に。

米国では高水準の財政赤字が続いているほか、日本では消費税減税を巡る議論、フランスでは予算編成を巡る政治的混乱、ドイツでは防衛・インフラ投資に伴う財政拡張など、財政リスクを意識させる動きが相次ぐ状況。財政赤字の改善ペースが緩慢ななか、財政拡張的な動きが活発化すれば、財政リスクを反映した長期金利の上昇が継続する可能性。

主要国の国債市場が相互に連関する環境下では、金利上昇が各国で同時進行するリスクあり。長期金利の上昇は、金融機関の中長期的な収益改善が期待される一方、保有国債の価格下落や担保価値の低下などを通じ、金融市場や金融システムを不安定化させる恐れ。金融当局は、主要国の長期金利の同時上昇を想定し、金融機関の金利リスク・流動性リスクに係るモニタリングを強化していく必要。


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