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リサーチ・アイ No.2026-053

「電力の時代」に向けて、わが国に求められる産業・エネルギー構造改革

2026年09月15日 大嶋秀雄


世界的にエネルギー需給構造が変化。需要面では電力シフトが加速。これまでもIT産業の発展や家電の普及等でエネルギー消費に占める電力の割合(電化率)は上昇してきたが、今後は、冷房や電気自動車(EV)、AI等の普及で電力需要が一段と増加する見通し。国際エネルギー機関(IEA)は「電力の時代」が到来すると指摘しており、各国では「電力の時代」に競争力を持つ産業の育成や十分な電力の確保が重要に。

供給面では再生可能エネルギー(再エネ)が急増。設備コストが低下するなか、稼働までのリードタイムが短い太陽光発電中心に導入が加速、世界の発電量に占める再エネの割合は上昇。ウクライナ・中東危機に伴う化石燃料の供給不安等でエネルギー安全保障の観点でも選択肢に。

また、気候変動対策としても、電力は燃料に比べて脱炭素化しやすく、産業等の電化を進めつつ、再エネ発電を強化することは有効。本年11月の国連気候変動枠組条約第31回締約国会議(COP31)では、議長国トルコが電化率を2035年までに35%に引き上げる目標を議論する姿勢。

わが国も「電力の時代」に向けた変革が重要に。政府は、戦略分野としてAI・半導体や情報通信、次世代発電技術等を掲げて「電力の時代」の競争力強化を図る。一方、わが国は立地制約等から電源増強のハードル高。今後は、小規模な再エネ等も活用して電源を確保しつつ、蓄電所の増強や省エネ、電源余力を踏まえた産業立地の推進など、限られた電源の有効活用も重要に。


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