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リサーチ・アイ No.2026-043

長期化する米国の住宅市場の低迷 ― アフォーダビリティ改善の遅れと世帯数の増勢鈍化が需要を下押し ―

2026年08月26日 森田一至


米国の住宅市場は不振。住宅販売件数は、住宅ローン金利が上昇した2022年に急減して以降、コロナ禍前を下回る水準で推移。また、住宅着工件数も建設コストの上昇などを背景に、足元にかけて緩やかに減少。先行きの住宅市場は、以下2点が需要の重石となることで低迷が長引く見込み。

第1に、住宅のアフォーダビリティ(取得しやすさ)の低迷。住宅ローン金利の高止まりと住宅価格の割高感により、家計の住宅取得負担は依然として大。住宅ローン金利の指標となる米10年債利回りは高水準で推移。中東情勢の緊迫化に伴う資源高がインフレ懸念を強めているほか、財政赤字の拡大懸念などが長期金利を押し上げ。当面、長期金利の大幅な低下は見込みにくく、住宅ローン金利も高止まりが続くと予想。住宅ローン金利の高止まりは、低金利期に借り入れた既存の住宅所有者の住み替えを抑制する「ロックイン効果」を通じて中古住宅の供給を減らし、住宅価格の高止まりの一因となっている可能性。住宅価格は世帯収入比で緩やかに低下しているものの、依然としてコロナ禍前を大きく上回る水準。足元の低下ペースが続いても、コロナ禍前の水準に戻るのは2030年以降となる計算。

第2に、世帯数の増勢鈍化。米国では、足元で世帯数の伸びが鈍化。世代別では35歳未満で世帯数が減少に転じており、全体の伸びを下押し。若年層失業率の上昇や移民の流入減が新規世帯の形成を抑制しており、足元の住宅需要を下押ししている可能性。雇用拡大に対する企業の慎重姿勢が続いているほか、移民流入の回復も見込まれず、今後の世帯形成の重石となる公算。


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