リサーチ・アイ No.2026-040 韓国株価の急落、個人消費を▲1%下押しする恐れ ― 長期的には、家計の資産形成や企業の資金調達を阻害するリスクも ― 2026年08月05日 細井友洋年初来大幅な上昇を続けてきた韓国株式市場は、6月下旬以降、調整局面に転換。韓国株式市場の時価総額は、ピークから一時4割も下落。背景には、世界的なAI・半導体関連株の下落に加え、信用取引などを利用した個人投資家の市場参入拡大も。韓国では本年入り後、半導体産業を中心とする株価上昇を背景に、借入を利用して株式投資を行う個人投資家が増加。こうした資金は、日々の値動きが原指数の2倍や3倍になるよう運用されるレバレッジETFにも流入。6月以降、世界的な株安を受けて韓国でも半導体株が下落。個人投資家への追証発生に伴う換金売りやロスカットの増加に加え、レバレッジETFの目標倍率維持に向けたリバランスも売り圧力を増幅。こうした株価の急落は、短期・長期の両面から韓国経済を下押しする恐れ。短期的には、逆資産効果を通じて個人消費を抑制する可能性。仮に株価がピークから4割程度低い状態で1年間推移した場合、株価がピーク水準で推移した場合と比べ、実質個人消費を▲1.01.0%、実質GDPを▲0.50.5%押し下げる見込み。もっとも、本試算は韓国家計の平均的な資産効果に基づくものであり、ロスカットなどにより多額の損失を被った家計では、消費への影響が試算以上となる可能性も。長期的には、「貯蓄から投資への流れ」を阻害する恐れ。韓国では、金融資産に占める株式や投資信託の割合が米欧よりも低く、依然として現金・預金が中心。今回の株価急落をきっかけに家計のリスク回避姿勢が強まり、株式・投資信託離れが進む可能性も。この場合、家計の長期的な資産形成や資本市場を通じた企業への資金供給に悪影響を及ぼすことが懸念。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)