コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・アイ No.2026-039

食料品の消費減税、再増税時の消費減少は避けられず ― 時限減税は、終了時の価格上昇と消費の反動減を招く可能性 ―

2026年08月05日 藤本一輝


高市首相は2027年4月から飲食料品に係る消費税率を8%から1%に引き下げ、2年後には税率を元に戻し、所得連動の給付制度を本格導入する方針。もっとも、制度移行が円滑に進んだとしても、再増税時の価格上昇を受けて、消費が下押しされる見通し。

消費減税が消費に影響を与える経路は、①所得効果(家計の生涯所得の増加により消費も増加)、②異時点間の代替効果(税率が低いときにより多く消費)、③買い控え(駆け込み)とその反動、の3つに整理可能。給付制度の規模や制度設計によっては、制度移行後も家計の所得は下支えされるものの、2年後に元の税率まで引き上げられれば、税込みの食料品価格は上昇。このため、減税期間中の代替効果の剥落に加えて、コメや加工食品など備蓄可能な品目を中心とする駆け込み消費とその反動により、消費は振れる公算大。

さらに、企業の価格設定次第では、再増税後の消費下押し圧力が一段と強まる可能性。過去の欧州では、付加価値税率の引き下げ分が販売価格に完全には反映されないケースや、税率引き下げ時と引き上げ時で価格反応が非対称となるケースも。とくにフィンランドでは、税率復元時の価格反応が引き下げ時より大きく、減税終了後の価格が高止まり。わが国でも、企業がマージン確保を優先すれば、再増税時の消費の落ち込みが一段と強まるリスク。

財政の持続性や公約遵守の観点からは、2年後の税率引き上げが要請されるものの、再増税すれば消費は下押しされる見込み。消費減税は導入時には家計支援として分かりやすい政策であるものの、出口局面では、政府に難しい政策判断を迫る可能性。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ