リサーチ・アイ No.2026-021 地方銀行における業績改善の広がりと今後の課題 ― 利上げペースの加速で再び格差が広がる可能性も 2026年06月11日 大嶋秀雄上場地方銀行(地銀)の2025年度決算は、金利上昇による預貸ビジネスの収益改善もあって、コア業務純益が前年比3割増加するなど好調。過去最高益を更新する地銀も。 背景の1つが“緩やかな”利上げ。25年度は、米国の関税政策等に伴う混乱もあり、日本銀行が動きにくい状況が続き、利上げは12月の一度のみ。長期的には、利上げの遅れは銀行収益の改善を遅らせるが、短期的には、預金に比べて貸出の金利引き上げに時間を要するため、“緩やかな”利上げの方が預貸利ざやが改善する結果に。総資産規模別でみると、24年度は、中小規模の地銀で預貸利ざやが縮小したり、預金が流出する銀行が多くなるなど、規模の格差が業績改善の差に直結。25年度は金利上昇の恩恵が広範に広がり、中小行でも預金確保も進展したが、最も規模が小さなグループでは25年度も収益改善等の遅れが目立つなど、銀行間の格差は残る状況。先行きをみれば、インフレ圧力が強まるなか、市場予想では年内2回の利上げ見通し。24年度に比べて、融資先の金利環境の理解や銀行の説明等のノウハウ蓄積は進んだとみられるが、追加利上げへの対応次第で、銀行間の差が広がる可能性も。また、金利が上昇するなか、企業・家計の資金繰りや不動産市況等への悪影響が顕在化する懸念もあり、リスク管理も重要に。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)