リサーチ・アイ No.2026-016 データセンターが押し上げる米国の電力需要 ― 需給のひっ迫や供給の不安定化が投資・生産活動の重石となる恐れ ― 2026年05月22日 森田一至米国では、旺盛なAI需要を背景に、データセンター投資が加速。足元の投資額は、ChatGPTが公開された2022年と比較して3倍以上に増加しており、建設投資のけん引役に。先行きも、AIの社会実装の進展に伴い、データセンター投資の拡大が続く見通し。これに伴い、データセンター向けの電力需要も増加。米エネルギー情報局(EIA)の予測などを基に推計すると、2050年の電力需要全体に占めるデータセンターの割合は、ベースラインで1割強、高電力需要シナリオでは2割に達する見込み。AI関連セクターの需要増加にけん引され、米国の2050年の電力消費量は、2025年から最大で1.5倍に拡大する可能性。もっとも、電力供給には脆弱性。EIAによれば、需要増加分のほとんどが天然ガスと再生可能エネルギーによる発電で賄われる見通しであるが、いずれも供給リスクが残存。第1に、ガス火力発電所の設備不足。世界的なガス発電の需要拡大を受けて、ガスタービン製造大手3社の受注残高は足元で増加。報道等によれば、設備納入の遅れも生じており、発電所稼働までのリードタイムも長期化。第2に、再エネでの発電に必要な原材料の不足。ニッケルやケイ素、ガリウムなどのレアアースの供給制約に対処できない場合、2050年までに再エネ発電容量目標の34%が不足するとの試算も。電力供給の制約が顕在化した場合、電力価格の上昇や供給の不安定化を通じて、データセンターや製造業投資が集中する地域を中心に、企業の投資・生産の重石となる恐れ。すでに、足元の電力価格は上昇基調にあり、一部地域では電力需給のひっ迫感が強まり。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)